
管理職のあるべき姿を徹底解説!役割や必要なスキル・資質なども紹介!
管理職は、部下を指揮・管理しながら組織の目標達成を目指していく役職であり、企業が価値を発揮し続けていくためには優秀な管理職の存在が不可欠です。今回は、管理職の役割やあるべき姿、また管理職に就く人材が備えておくべき資質などについて解説していきます。
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管理職とは?
そもそも管理職とは、部や課といった組織に所属するメンバーを指揮・管理する役職のことです。一人ひとりの部下を管理・育成しながら組織を運営し、目標達成へと導いていくのが管理職のミッションです。ただ、組織目標さえ達成していればOKというわけではなく、常に経営視点を持って会社全体を見渡し、自分の組織が会社にどのように貢献できるかを考えたうえでマネジメントをすることが求められます。
管理職とひと言で言っても、係長、課長、次長、部長、本部長など様々な階層があり、階層によって管理するメンバーの数や権限の大きさは変わってきます。いずれにしても、組織の成果に責任を負うのが管理職であり、当然のことながら一般社員よりも幅広い能力と高度なスキルが求められます。
管理職に求められる役割や能力、行動などは、以下の記事で詳しく解説しています。
>> 管理職とは?目的や役割、必要なスキルについて徹底解説
https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/column/0078
管理職のあるべき姿とは?
管理職のあるべき姿を定義するのは簡単ではありませんが、一般的に管理職に求められるマインドや行動、スタンスとしては、以下のようなものが挙げられます。
経営視点を持っている
管理職には、経営側の視点を持つことが求められます。自分が率いる組織のみならず、企業全体に目を向け、広い視野で物事を捉えていかなければいけません。また、一般社員は短期視点で目の前の仕事に取り組みますが、管理職はそれではいけません。管理職は短期的な成果にこだわるのではなく、常に中長期的な視点を持って事業の展望を考えることが求められます。
組織の目標を設定するのも管理職の重要な仕事ですが、このときも会社全体を俯瞰する経営視点が欠かせません。会社のなかで組織が果たすべき役割を認識したうえで、適切な目標を掲げ、組織のパフォーマンスを最大化させていくことが求められます。
的確な戦略を立案できる
管理職は組織のリーダーであり司令塔です。目標を設定したら、あとは部下に発破をかけるだけの管理職もいますが、それでは目標達成は難しいでしょう。設定した目標を達成するための戦略を立案することも、管理職の重要な仕事です。
的確な戦略を立てるためには、現状を正しく分析し、現在地からゴールまでの道のりを見極め、その過程で立ちはだかる課題を解決していく必要があります。このプロセスを描くことができない人は、管理職にふさわしいとは言えません。予期せぬ壁にぶつかれば、戦略の修正が求められるケースもあるでしょう。このようなとき、柔軟に戦略を立て直すのも管理職に求められる姿勢です。
外部との調整力に長けている
管理職には「調整役」としての働きも期待されます。たとえば、部下が顧客とトラブルを起こした場合、顧客との関係を調整するのは管理職の務めであり、管理職が自らの責任のもとでトラブルを収束させなければいけません。そこでもし、調整を図ろうとせず部下を責め立てるだけであれば、管理職としてあるべき姿とはかけ離れています。
また、他部署との間で調整が必要になるケースも多々あります。そのときも組織の長として他部署とかけあい、お互いが納得できる形で意見をすり合わせていく必要があります。他部署の要求を飲んでばかりだと部下の不満が溜まりますし、逆に自部署の要求を押し通してばかりだと社内で孤立してしまいます。このあたりは、管理職の調整能力が物を言うところです。
モチベーションが高く、前向きに仕事に取り組んでいる
管理職が仕事に取り組む姿勢は、想像以上に部下たちに影響を及ぼすものです。前向きでモチベーションが高い管理職は、部下の成長意欲を刺激します。チーム全体の士気が上がり、パフォーマンスや生産性の向上が期待できるでしょう。
逆に、管理職がネガティブで、いつもため息をついたり愚痴をこぼしたりしていると、部下に無用な不安やプレッシャーを与えます。このような姿勢は、部下のモチベーションやパフォーマンスを阻害する原因になりかねません。管理職は、常に前向きに仕事に取り組み、組織全体にポジティブな空気を伝播させられる人でなければいけません。
コミュニケーションが活発で風通しの良い環境をつくれる
職場の雰囲気は、メンバーのモチベーションや成果に大きな影響を及ぼします。ギスギスした空気でコミュニケーションが取りづらい職場では、悩みや疑問が生じても相談できず、意見や提案があっても声をあげにくくなってしまいます。また、コミュニケーションが不足した職場では、メンバーが不信感を抱いたり、無用な誤解が生じたりしやすいため、そのせいで人間関係がぎくしゃくしてしまうことがあります。その結果、メンバーのモチベーションが下がり、組織として成果を上げるのも難しくなってしまうでしょう。
常に活発なコミュニケーションがおこなわれている職場なら、困りごとをすぐに相談できたり、アイデアを気軽に共有できたりするので、組織力の向上につながります。管理職自ら部下と積極的にコミュニケーションを図り、風通しの良い職場をつくっていきましょう。
部下を適切にマネジメントできる
部下のマネジメントは、管理職の仕事の核とも言えるものです。常に部下の成長を促し、パフォーマンスを最大化させる支援をしていきましょう。もちろん、メンバーの能力には差があり、成長スピードもそれぞれ異なります。そのため、管理職は一人ひとりの部下の特性に合わせた指導・育成をおこなう必要があります。
また、昨今はメンタルヘルスの不調を訴える労働者が増加しています。部下のメンタルの状態を把握し、きめ細かな配慮・対応をする「メンタルヘルスマネジメント」も管理職に求められる役割の一つです。
部下のワークライフバランスを大切にできる
管理職には、メンバーのワークライフバランスの実現をサポートする姿勢が求められます。そのためには、残業の削減や長時間労働の是正は避けて通れない課題です。有給休暇の取得を促すだけでなく、テレワークやフレックスタイム、時差出勤など、柔軟な働き方ができる環境をつくることも重要です。このような環境を整えることができれば、従業員はプライベートを大切にすることができ、精神的にも充実感が生まれ、仕事に対するモチベーション向上につながっていきます。
部下を公平に評価できる
管理職には、部下を公平に評価することが求められます。「人間だから誰でも好き嫌いはある」という意見もありますが、部下を評価するときに主観を持ち込んではいけません。評価に対して、メンバーが「あの人より頑張っているのに・・・」「えこひいきではないか・・・」というように感じてしまうと、一部のメンバーのモチベーションを損なってしまったり、組織内の人間関係が悪くなってしまったりする可能性があります。管理職は、常にフラットな目線で公平な評価を心掛けなければいけません。
部下のモチベーションを高められる
管理職は、部下のモチベーションを高められる人である必要があります。モチベーションの高い部下は主体的に動けるので、組織として目標達成がしやすくなります。
部下のモチベーションを高める方法は様々ですが、管理職として特に重要なのは会社の理念・ビジョンを浸透させることです。理念・ビジョンを通して仕事の意義や会社が目指す未来を伝えることで、従業員にやる気を起こさせたり、ワクワクした気持ちを持たせたりすることができます。また、誰でも上司から褒められれば嬉しいものです。成果を褒めるのはもちろんですが、普段の仕事ぶりを細かく観察し、日々の努力や取り組み、隠れた貢献などを称えることも重要です。そうすることで、部下のモチベーションはより高くなるでしょう。
管理職に求められるスキル・能力とは?
管理職に求められるスキル・能力としてよく言われるのが以下の4点です。
・ポータブルスキル(対課題力)
複雑な問題に直面したときに概念化したうえで本質を理解するスキルのことです。コンセプチュアルスキルや概念形成力と言い換えることもできます。
・ポータブルスキル(対人力)
他者と良好な人間関係を構築・維持するために必要な能力・技術のことです。ヒューマンスキルと言い換えることもできます。
・ポータブルスキル(対自分力)
行動や考え方をセルフコントロールする能力のことです。
・テクニカルスキル
特定の業務を遂行するうえで必要となる知識やスキルのことで、業種や職種によって具体的なスキルは変わってきます。
管理職に求められる役割や能力、行動などは、以下の記事で詳しく解説しています。
>> 管理職とは?目的や役割、必要なスキルについて徹底解説
https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/column/0078
管理職に求められる資質とは?
管理職に求められる資質としてどのようなものがあるのかを解説していきます。
本質を見抜き、論理的に考える力
取り組むべき課題の本質を見極める能力と、正しい筋道を描いて結論を導き出す論理的思考力は、管理職としてぜひ備えておきたい資質です。課題が複雑化する昨今、特に経営層に近い上級管理職には欠かせない資質だと言えるでしょう。
特に、論理的思考力は重要です。管理職には、物事を客観的に捉え、その原因や理由、影響などを的確に把握し、論理立てて判断していくことが求められます。もし管理職が論理的な判断をできず、その時々で行き当たりばったりの判断をしていたら、当然、問題解決には至りませんし、メンバーやクライアントの信頼も失ってしまうでしょう。メンバーが納得して動ける指示を出すためにも、クライアントに安心して仕事を任せてもらうためにも、管理職は論理的思考力を磨き続けなければいけません。
強い責任感
管理職は、与えられた権限の大きさと引き換えに重い責任を負うため、その責任をまっとうできる責任感の強さが求められます。管理職が強い責任感を持って仕事に取り組まなければ部下を率いることはできませんし、成果をあげることもできないでしょう。
優れた調整力
管理職は、従業員と顧客、自部署と他部署、経営層と一般社員など、様々な関係性の間に入って調整役を担うポジションです。それゆえ、バランス感覚や調整力は欠かせない資質だと言えます。自分の組織の利害だけを優先するのではなく、常に全体感を持って意思決定をしなければいけません。
統率力と柔軟性
組織のメンバーが一丸となって目標に向かうためには、管理職が優れたリーダーシップを備えている必要があります。どんな組織にも複数のメンバーがいますが、最初から全員が同じ方向を向いていることはありません。それぞれ違う方向を向いているメンバーに同じ方向を向かせ、チーム全体で目標に向かっていくためには管理職の統率力が不可欠です。
ただし、管理職の独りよがりではメンバーを束ねることはできません。統率力と同時に、一人ひとりのメンバーの状況や能力に合わせて指揮をとれる柔軟性も重要です。
管理職の研修・育成ならストレッチクラウド
ここまで、管理職のあるべき姿等について説明してきました。
ストレッチクラウドでは、管理職として活躍する人材を育てるために、まず、研修を通して事前に役割理解や役割遂行のための観点付与を行います。その後、360度評価によって周囲からの期待と満足を可視化し、役割遂行に向けた自己課題は何か/課題を解決するためのアクションプランは何かを明らかにするというワークショップを継続的に実施します。結果として、結節点人材になるための自立的な成長サイクルを実現しています。
また、管理職になる前のリーダークラスへ導入しておくことで、今後、管理職に登用されていくリーダークラスを、登用直後から管理職として活躍出来る人材としていくために、先んじて、自立的な成長支援サイクルをまわし始めておくということも可能です。
ストレッチクラウドの詳細は、以下のサイト・記事で詳しく解説しています。
▶ストレッチクラウドの詳細はこちら
https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/
まとめ
管理職は責任が重く、大きなプレッシャーがかかるポジションです。一方で、裁量を持って組織やプロジェクトを動かせるのは管理職ならではの特権とも言えます。将来、管理職として活躍したい人やワンランク上の管理職を目指している人は、管理職に求められる資質やスキルをしっかりと認識し、今の自分に足りないものを補う努力を重ねていきましょう。
管理職のあるべき姿に関するよくある質問
Q:プレイングマネジャーと管理職の違いは?
プレイングマネジャーとは、個人としての成果を求めるプレーヤーと、部下を束ねて組織としての成果を求めるマネジャーの両方の役割を担う人を言います。近年、プレイングマネジャーが増加しており、特に課長層にプレイングマネジャーが多いと言われています。
プレイングマネジャーとしての役割が期待されているのであれば問題はありませんが、本来は管理職としての役割に徹するべきなのに、人手不足などによってやむを得ずプレーヤーを兼ねているケースも多く、マネジメントが手薄になることを問題視する企業も少なくありません。
Q:管理職になりたくないのはどんな理由が多い?
近年は、管理職になりたくない人が増えていると言われています。転職・求人情報サイトを運営するBiz Hitsが実施したアンケートでは、「管理職になりたくない理由」として以下のような結果が出ています。
▼男性
1位:責任が重い(57人)
2位:割に合わないと感じる(53人)
3位:仕事・残業が増える(52人)
4位:人間関係で悩みそう(28人)
▼女性
1位:責任が重い(119人)
2位:仕事・残業が増える(86人)
3位:管理職に向いていない(52人)
4位:割に合わないと感じる(50人)
※参考:【管理職になりたくない理由ランキング】男女500人アンケート調査|Biz Hitsのプレスリリース
https://bizhits.co.jp/media/archives/31039