膨大なデータに裏付けられたアドバイスが、行動変容のきっかけに

三菱マテリアル株式会社

管理本部 管理部長 林晃 氏
管理本部 管理部 HRBP室長 巻山修二 氏
管理本部 管理部 人事・CSR室 手塚春奈 氏
事業内容

非鉄金属製錬を始め、金属加工、電子材料製品からエネルギー・環境ビジネスに亘る幅広い事業を展開

企業規模

単体 5,450名

連結 18,576名

(2023年3月末現在)

担当コンサルタント 株式会社リンクアンドモチベーション 阿部のどか
導入サービス

ストレッチクラウド

課題

  • 他のカンパニーと比べたとき、「イキイキ度(従業員エンゲージメント)」が低く、いかに改善していくかが課題だった。

  • 労働生産性を向上させるため、自発的に改善提案ができる組織をつくっていく必要があった。

効果

  • 上司が背中を見せるマネジメントスタイルではなく、1-on-1などの対話を通し、OJTによって部下を育てていこうという風土が醸成されつつある。

  • 360度サーベイの結果をもとに、「上司・部下からこう思われている管理職は、こういう行動をとるとマネジメント改善に繋がる」といった具体的なフィードバックをもらえるので、納得感があり、行動変容につながった。

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半導体、自動車、エレクトロニクス業界に高付加価値の製品を提供

「事業内容、ミッション」

林氏:私たち、三菱マテリアルの「高機能製品カンパニー」は、銅加工事業と電子材料事業という2つの事業を軸にしています。いずれも、半導体、自動車、エレクトロニクス業界に向けて高付加価値でユニークな製品を提供することを目的としています。

そのなかで私は、管理本部管理部の人事・CSR室に所属しています。高機能製品カンパニーが掲げる「グローバルファーストサプライヤー」としての地位確立と社会への価値提供ができる人材の確保・育成、および組織体制の構築をしていくのが私たちのミッションです。現在は特に、エンゲージメント向上による従業員のパフォーマンスの最大化や、効率化の追求による労働生産性の向上などに力を入れています。

課長の強化を起点に、従業員の「イキイキ度」を改善したかった

「サービス導入を決めた背景」

林氏:高機能製品カンパニーは、源流を別にするいくつかの会社から成り立っていることに加え、同じカンパニー内に、銅加工事業と電子材料事業という異なる事業があります。そのため、一つひとつの事業や工場を見ていくと、風土も違いますし、収益にも差があります。私たちはエンゲージメントのことを従業員の「イキイキ度」と捉えているのですが、他のカンパニーと比べたとき、イキイキ度が低く、これをいかに改善していけるかが当時抱えていた課題の一つでした。

私は当時、社内アンバサダーとしてインナーブランディングに取り組んでいたのですが、マテリアルグループ全体の理念があまり現場に浸透していないのではないかと感じていました。理念浸透を図り、エンゲージメントを高めていくためには、やはり現場に一番近い管理職である課長がカギになります。そのような背景もあり、まずは課長層にフォーカスしてマネジメントの強化に取り組んでいこうと判断しました。

また、高機能製品カンパニーの組織戦略でもあるのですが、労働生産性を向上させるため、自発的に改善提案ができる組織をつくっていかなければならないという課題がありました。そのためには、一人ひとりの従業員に研修・教育をおこなうのが理想ですが、私たちのカンパニーには単体だけでも2,000人ほどの従業員がいるため、すぐには実現できません。ですから、まずは組織づくりにおいて重要な役割を担う管理職、具体的には課長層をターゲットにしてリンクアンドモチベーションのストレッチクラウドを導入することにしました。

もともと、リンクアンドモチベーションのことを知ったきっかけはWeb広告です。私がWeb広告を見て、セミナーに参加したことをきっかけに、リンクアンドモチベーションの担当者からご連絡をいただきました。その後ストレッチクラウドをご提案いただいて、前述のような課題感にマッチしていたことから、導入に至ったという経緯があります。

ストレッチクラウドのご提案をいただいたとき、魅力的に感じたのが、他社との比較ができることです。リンクアンドモチベーションは、過去約20年もの間に数多くの企業で実施した360度サーベイのデータをお持ちです。ビッグデータがあるので、たとえば、同じ製造業のなかで自社の管理職のマネジメントレベルはどのくらいなのか、というように世の中でどれくらいの位置付けにいるのかが分かるのが良いなと思いました。

課長層が視点を高め、視野を広げられるような取り組みを

「管理職支援の取り組み」

林氏:ストレッチクラウドでは、まず360度サーベイを実施して、課長に対する「期待度」と「満足度」を可視化することが第一歩になります。期待度というのは、上司から課長に対する期待、また部下から課長に対する期待です。満足度も同様に、上司から見た課長の満足度であり、部下から見た課長の満足度です。

360度サーベイを実施すると、それぞれの課長の強み・弱みが明確に分かります。サーベイの結果をもとに、強みを伸ばし、弱みを克服していくために、研修をはじめとする様々な施策をリンクアンドモチベーションと一緒に進めています。次回の360度サーベイに向け、一人ひとりの課長が自己研鑽に努め、初回のサーベイ時に設定したアクションプランを実行しながら、マネジメントの改善に取り組んでいます。

個々人の結果だけでなく、課長層全体に共通するマネジメントの強み・弱みが見えたのも良かったですね。上司が回答するサーベイからは、「部下に挑戦機会を提供し、より中長期的な成果を追求する点」が不足していることが課題として明確になりました。部下が回答するサーベイからは、「戦略遂行の具体策や、目の前の業務ノウハウを伝授する点」が不足しているという課題が抽出されました。

課長が目の前の仕事に追われ、中長期的な視点を持てていないことが、360度サーベイによって明らかになったわけです。

部下の満足度を高めようと思ったら、とにかく部下の期待に寄り添った施策をしていけば良いのかもしれませんが、それでは管理職に求められる役割を果たせません。管理職は、経営の視点と部下の視点、どちらも併せ持ち、組織の結節点になる必要があります。ですから、課長同士のミーティングでは、まずは組織の目的や目標、役割などに対して部下が腹落ちできるよう、きちんと説明することに注力していこうという話をしています。

一方で、上司の期待に応えていくためには、目の前の課題を解決することだけでなく、長期的な提案力を高めていく必要があります。そのために、もっと視点を高め、視野を広げられるような施策を人事側から仕掛けていきたいと思っています。

巻山氏:職場では2年ほど前から1-on-1(※)を導入していますが、課長層の実施率が上がってきています。上司が背中を見せるマネジメントスタイルだけではなく、丁寧な対話を通して、OJTによって部下を育てていこうという風土が徐々に醸成されてきたと感じています。

※1on1ミーティングについて、三菱マテリアルでは上司と部下とが“つながる”ことを表すため、ハイフンを入れて「1-on-1」と表記しています。

データと知見に基づいた「核心をついたアドバイス」をもらえる

「リンクアンドモチベーションに感じる価値」

林氏:ストレッチクラウドの360度サーベイは、「期待度」と「満足度」の2軸で測るのが良いなと思っています。当たり前ですが、サーベイをおこなえば、スコアの高い課長とスコアの低い課長が出てきます。ただ、リンクアンドモチベーションからは、スコアに一喜一憂する必要はないと言われています。

「スコアが低いというのは、期待度の高さに比べて満足度が低いということの表れであり、周囲から求められていることに応えていけば必ずスコアは上がっていく」と言っていただいたおかげで、課長たちはみんな前向きになれたように思います。

サーベイ後の研修では、3~4名の課長に対してリンクアンドモチベーションの講師が1人付く形で、目標の立て方や部下との接し方など、詳しくアドバイスしていただきました。受講した課長層からは、非常に納得感があり、満足度の高い研修だったという声をもらっています。

巻山氏:講師のアドバイスが核心をついているところが、リンクアンドモチベーションの研修の素晴らしいところだと思います。「どうして、ここまで私のマネジメントスタイルがお見通しなんですか?」と、課長たちはみんな驚きと共に感心していました。

3~4名の受講者に対して1人の講師が付き、きめ細やかなアドバイスをして、改善計画を立てるサポートをしてくださるのは本当にすごいと思います。これまでも様々な研修を導入してきましたが、30人、40人の受講者に対して1人の講師という形が普通だったので、リンクアンドモチベーションの手法には驚かされました。1-on-1ではありませんが、それに近い手厚さのある研修だと思います。研修の受講者からは、「あれほど自分のマネジメントに対して踏み込んで話をする機会はなかった」「自分のマネジメントを見直す良いきっかけになった」といった声をたくさんもらっています。

過去に他社の360度サーベイを受けたことがあるのですが、フィードバックが抽象的で、わかりにくかったと思っています。一方で、リンクアンドモチベーションのフィードバックは「上司・部下からこう思われている管理職は、こういう行動をとるとマネジメント改善に繋がる」というように明確かつ具体的なものです。だからこそ、納得感があり、行動変容にもつながりやすいのではないでしょうか。

林氏:私自身も360度サーベイを受けましたが、強みと弱みが明確に出てきました。特に、自分の弱いところが明らかになったのは良かったですね。私の場合、チームの目標が分かりにくいといった指摘が多かったのですが、たしかに、数値化しにくい目標ばかり掲げていたなと気付かされました。

手塚氏:私は、部下の立場として林の360度サーベイに回答したのですが、評価項目が多岐にわたっているのが良いところだと感じました。項目がたくさんあるので、上司の良いところは良いと回答できますし、足りないなと思うところもピンポイントで回答できます。サーベイの結果を汲んでもらい、マネジメントを改善していただけるのであれば、部下にとってはとても嬉しいことだと思います。

部下側は、上司へのメッセージをサーベイに乗せて届けることができます。そのあたりも、ストレッチクラウドの良いところではないでしょうか。

迫る世代交代に向けて、自ら学び、成長する人材へ

「今後目指していきたい成果、組織像」

巻山氏:弊社の従業員は、ベテラン社員が多く、就職氷河期世代にあたる中堅社員は少ないという年齢バランスになっています。つまり、あと10年もすれば、世代交代の波が押し寄せてくるということです。そうなると当然、管理職も足りなくなるので、早めに世代交代に備えておかなければいけません。

しかし、まだまだ準備ができていないのが現状です。どちらかと言うと、45歳から55歳くらいの従業員を対象に次世代の経営者を育てることには取り組んでいましたが、20代後半から30代後半の従業員を、将来の管理職候補として育成していくような取り組みはあまりできていなかったと思います。

そのため、まずは「近い将来、管理職になって会社を背負っていくのだ」といった意識付け、動機付けをしていく必要があります。そのうえで、従業員が主体的に学び、自ら成長していく風土をつくっていく。そうすることで、世代交代の波が来たときに、スムーズにバトンタッチできるようにしていきたいです。

林氏:今、主体的に学び、成長するという話が出ましたが、私も少し前からビジネススクールに通い始めました。ビジネススクールに行くようになって感じるのは、そこにいる人たちの問題意識や主体性の高さです。20代や30代前半の若い方々が、自分の所属している組織や社会に対して課題感を持っており、それを解決するための知識やツール、人脈を手に入れるためにビジネススクールに来ています。

そのような方たちと出会うと、私たちはまだまだだなと感じます。目の前の課題に対して悩んでいるだけでなく、現状の殻を破るため、自ら社外に出てどんどん他流試合をするような従業員を増やしていきたいと思っています。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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