管理職が「周囲から何を期待されていて、何ができていないのか」を明確に認識できる

AKKODiSコンサルティング株式会社 (※1)

人事本部 人財開発部 武井 氏 (※2) 、細見 氏、瀧 氏

(※1)「Modis株式会社」は、2023年4月1日付けで社名を「AKKODiS (アコーディス)コンサルティング株式会社」に変更しました。
インタビュー内容は、取材当時 (2022年3月) のものです。
(※2) 武井氏はリモートにてご参加いただいています
事業内容 IT・情報システム、メカトロニクス・エレクトロニクス、ケミストリー分野におけるエンジニア派遣事業、開発請負、コンサルティング事業、教育事業および有料職業紹介事業
企業規模 9000名
担当コンサルタント

株式会社リンクアンドモチベーション 大前 有汰

導入サービス

マネジメントサーベイ(多面評価)
管理職向けサーベイフィードバック研修

課題

  • 管理職に求められる役割や機能を可視化したかった
  • 経営から発せられるメッセージの熱量を保ったまま現場に届けられる管理職を育成したかった

効果

  • 多面評価サーベイによって、管理職として求められていることや満たせていないことが明確になった
  • 部下へのアプローチ方法を変えるなど、試行錯誤しながら成長への方向性を見いだそうとする管理職が増えてきた
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技術者派遣と問題解決コンサルティングを軸にした事業を展開

「事業内容と部署の役割」

リンクアンドモチベーション 大前
:はじめに、御社の事業内容についてお伺いできますか。

細見氏:Modis (2023年4月1日付けで社名を「AKKODiSコンサルティング株式会社」に変更) は、エンジアリング(技術者派遣)やコンサルティングサービスを提供する会社で、大きく「Tech Talent事業」と「Tech Consulting事業」の2つの事業を展開しています。Tech Talent事業は、上流工程から下流工程まで幅広く人材派遣のサービスを展開しています。Tech Consulting事業は、コンサルティング力と技術力を備えたエンジニアによる問題解決サービスです。

リンクアンドモチベーション 大前:そのなかで、みなさまのミッションは全社の人材開発という認識でよろしいでしょうか。

細見氏:はい、そうです。我々は「人財」という漢字を意図的に使っていますが人財開発のなかでも、主に技術系の研修以外の育成・開発に携わっています。

従業員の定着や働きがいの向上を目指す

「サービス導入を決めた背景」

リンクアンドモチベーション 大前:弊社のサービス導入前は、管理職に関してどのような課題をお持ちでしたか。

武井氏:我々のようなビジネスの場合、やはり従業員の定着や働きがいの向上は常に課題になってくるポイントです。そのため、管理職がより現場の課題を上層部に共有できるようになるのと共に、経営層からのメッセージをより熱いまま伝えられるようになる必要があると考えていました。

管理職に求められる役割・機能を可視化できる

「サービス導入を決めたポイント」

リンクアンドモチベーション 大前:弊社のサービスを選んでいただいた決め手をお伺いできますか。

武井氏:当時、弊社では管理職向けの研修はほとんど実施されていませんでした。ですから、まずは管理職やエグゼクティブに求められる役割や、彼らが果たすべき機能を可視化しなければいけないと、いくつかの会社さんに相談させていただきました。

そのなかで、リンクさんのご提案がいちばん分かりやすく、改善の道筋を描けるものでした。多面評価サーベイを活用してみてはどうかというご提案をいただいたのですが、サーベイの項目も我々がイメージするものにマッチしていましたし、管理職に求められることをきちんと可視化できることもポイントになりました。

サーベイを取って終わりではなく、その後のフィードバックやアドバイススクランブルなど、情報共有を促進できる施策も含めて提案していただきました。単なるサーベイ、単なる研修ではなく、それらを関連付けた提案をしていただけたのが大きかったと思っています。

多面評価サーベイを受け、取り組むべきアクションを上司に宣言

「具体的な取り組み内容」

リンクアンドモチベーション 大前:管理職変革施策に取り組んでいくなかで、大事にしていたのはどのようなことでしたか。

武井氏:一つは、多面評価サーベイをやりっぱなしにしないということです。サーベイを実施した後、管理職がどのようなアクションをしていくのかということを、管理職の上司が把握できる仕組みにしていました。私自身もサーベイの結果が出たら、それをチームのメンバーに共有した後、上司に持っていって、「私はこういうところが課題なので、こういうことに取り組もうと思います」という話をしたうえでアクションにつなげていました。そうすることで、自分自身も「宣言したからには」「ちゃんとやらなきゃ」という気持ちになります。

もう一つは、最近、細見が取り組み始めているのですが、最初の報告だけで終わらせずに、その後のアクションの報告も定期的におこない、きちんとPDCAを回していくことです。

細見氏:私も、いかに管理職の上司を巻き込んでいくか、いかに同じ方向を向いていくかというところは意識していました。

また、せっかく良い動きをしている管理職がいるのであれば、その動きを共有したいという思いもありました。ですから、昨年からは年に2回サーベイをおこない、改善プランを実行した後、どのような成功事例が生まれたかということを全体に共有する試みを進めています。

あとは、サーベイによる負担を考慮することですね。我々はアデコグループというグローバル企業がバックボーンなのですが、グローバルで共通して取り組んでいるサーベイやアセスメントもあり、新しいものも追加されていきます。価値を生み出していくための取り組みなので、それ自体は良いことだと思いますが、一方で現場の負担が増えるのは良くありません。実際に、「これとこれは何が違うんですか?」という声も挙がっていました。

サーベイをすることで疲弊してしまったら逆効果ですから、それぞれの目的を明確にし、サーベイを受ける人に違いや狙いを説明できるようにしているところです。

瀧氏:設問が似ているサーベイがあると、現場からしたら「また?」という気持ちになってしまいますからね。

多面評価サーベイで「何を求められているのか?」「何を満たせていないのか?」が明確に

「リンクアンドモチベーションに感じる価値」

リンクアンドモチベーション 大前:弊社のサービスを導入して良かったことなどをお伺いできますか。

武井氏:多面評価サーベイに関しては、「期待度」と「満足度」という2軸で測る仕組みが非常に良いなと思っています。「何を求められているのか?」「何を満たせていないのか?」が分かりやすく出てくるじゃないですか。「自分は伝えているつもりだったけど、十分に伝わっていなかった」「慣れているから惰性でやっていたけど、実はあまり求められていなかった」といったことがよく分かります。自分の課題を明確に捉えられるのは、非常に良いところだと思います。

たとえば私の場合、部下から「評価基準をもっと明確に伝えてほしい」という要望が多く挙がってきました。私としては伝えているつもりでしたが、「こういう指標をクリアしたら評価が上がるよ」「こういう取り組みが期待されているよ」というように、もっとポジティブなメッセージとして伝えないといけないんだなと認識させられました。

ビジョンに関しても同じように、「ビジョンをもっと明確に示してほしい」という要望がありました。ビジョンも毎年話しているのですが、伝わりきっていなかったということですよね。「ビジョンが会社の未来にどう連携していくのか?」「ビジョンを個人の仕事やキャリアに置き換えるとどうなるのか?」というように、もっと具体的な伝え方をしなければいけないんだなと思いました。細見などは、このような要望をストレートに伝えてくれるので、頑張ろうと思えますよね。

期待度と満足度を自分なりに分析し、アクションや部下へのアプローチ方法を変えるなど試行錯誤しながら成長の方向性を見いだしている課長もいますし、管理職のなかで多面評価サーベイの活用は進んでいると思います。

瀧氏:私はまだ社歴が浅いのですが、入社して間もない時期に部下として多面評価サーベイに回答しました。対象の管理職は武井だったのですが、当時の私はまだ武井のことをあまり知りません。そのサーベイが終わって、武井が結果をフィードバックしてくれたのですが、そのときに自分が感じていたことと、細見などの先輩社員が感じていたことに様々な違いがあることに気付きました。「他の人はそういう観点で見ているんだな」というような発見が多かったのを覚えています。

多面評価サーベイは、もちろん管理職の成長や学びのためにおこなうものだと思いますが、回答するメンバーにも学びや気付きがあるんだなというのは、実際に私が回答してみて思ったことです。

理想は、マネジメントについて共通言語で語れる状態

「今後解決していきたい課題」

リンクアンドモチベーション 大前:今後も多面評価サーベイを起点として、様々な施策を進めていかれると思います。今後、特に注力していきたい点についてお伺いできますか。

細見氏:リンクさんにお願いしている多面評価サーベイや研修を通して目指していきたいのは、マネジメント層の意識と判断基準の統一化です。「我々は会社全体ではここを目指していて、その中で事業本部ではこういうことを目指しているんだよ」「A課長のグループでもメンバー全員で目標を成し遂げてほしいので、現状のサーベイから見ると“役割情報の提供”を強化する必要がありそうだね」というように、マネジメントについて共通言語で語れる状態が一つの理想だと考えています。

弊社はマネジャーの数が多く、事業部長が30~40名、グループリーダーが150名ほどいます。個々のマネジャーの特性も強みではありますが、さらに共通で語れる部分が増えてくるにつれてマネジメントの質を高めることに寄与でき、より組織力を強化できるのではないかと思っています。

武井氏:冒頭でお話ししたとおり、以前は弊社には管理職向けの体系化された研修がありませんでした。そこで、リンクさんにご協力いただき、管理職に期待・役割を伝えるような研修を実施するようになりました。そして今、「管理職により高いパフォーマンスを発揮してもらうために何をすべきなのか?」ということを、まさに検討しているところです。

もちろん、結節点として情報収集力や情報の展開力、また戦略立案の力などを伸ばしていく必要がありますが、何か特定の研修を受けるだけで伸びるというものではありません。ですから、様々なスキルを多面的に伸ばせる機会をたくさん提供していきたいなと思っています。

管理職に継続性・連続性のある学びを提供し続けていきたい

今後目指していきたい成果、組織像」

リンクアンドモチベーション 大前:管理職の育成に関して、弊社に対するご期待・ご要望などをお伺いできますか。

武井氏:我々は「人財育成」を理念に掲げている会社ですから、まず、我々自身が学び続けていかなければいけません。今後も、継続性・連続性のある学びを管理職に提供し続けていきたいと思っていますので、リンクさんには引き続きご協力いただきたいです。

私の印象ですが、リンクさんはコロナによる環境変化に非常に早く適応している企業だと思っています。ですから、オンラインでもワクワクできて、一体感の高まるような研修をどんどん提供していただきたいですね。

瀧氏:私は、管理職やリーダーの姿に正解はないと思っています。正解はありませんが、リンクさんの多面評価サーベイや研修を通して、また社内での意見交換を通して、管理職が自分の理想に近付いたり、こうあるべきだと考える姿に近付いたりすることはできるはずです。正解のないものに向かうのは簡単なことではありませんが、個々の管理職の特性を活かしながら成長を促せるようなご支援を今後もお願いしたいと強く思っています。

実は私、前職でも人事としてリンクさんと取引がありました。そのときに印象に残っているのが、御社の研修を受けたメンバーから「リンクアンドモチベーションの研修でこういう気付きがあったから、こういうふうに自分を変えていきたい」という話を聞いたことです。このように、その人の中に染み込んでいくような研修や、その人の人生にずっと残るような言葉を、これからもたくさんいただけると嬉しいです。

本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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