管理職を起点に風土改革を。360度サーベイで求められていることを知り、研修で打つべき手を学ぶ

パナソニック株式会社 空質空調社

空調冷熱ソリューションズ人事部 エアコン人事企画課
課長 藤野 大 氏
   粂田 結希 氏

課題

  • 組織が硬直化する中で、マネジメント層が失敗を許容しにくく、若手がチャレンジしにくい風土になっていた。

  • 従来のサーベイは社員の状態を測るだけで、組織を改善するために何をすれば良いのかが分からなかった。

効果

  • 一人ひとりの管理職に対する「期待」と「満足」の乖離を把握できるようになり、乖離を埋めるためにやるべきことも分かるようになった。

  • 組織ごとに異なる、部課長本人の課題に合わせた施策を打てるようになった。

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空気から、未来を変える。

「事業および部署の概要」

藤野氏:パナソニック空質空調社はパナソニックの社内分社で、換気扇や空気清浄機などを扱う「空質事業」と、家庭用の空調機や給湯器、業務用の空調機などを扱う「空調事業」から成る会社です。私たちはそのなかで空調事業を担当する人事部門として、人や組織、風土といった観点から事業の最大化を図ることを大きなミッションとしています。

マネジメント層が失敗を許容しにくく、若手がチャレンジしにくい風土だった

「サービス導入を検討した背景」

藤野氏:私たちが大きな課題として捉えていたのが、組織が硬直化していたことです。空調事業は昔からパナソニックの利益の源泉となっていたことから、長年、利益を創出し続けなければいけないというプレッシャーと戦い続けてきたこともあり、いつからか「失敗できない」という風土が色濃くなっていました。マネジメント層が失敗を許容しにくく、若手がチャレンジしにくいというのは、組織の課題として認識していたところです。

会社としても、このままでは空調事業の成長が鈍化してしまうという見方をしており、「原点に立ち返って変わっていこう」というメッセージを発しました。事業が伸びるから組織風土が良くなるという考え方もあるかもしれませんが、やはり事業の根幹になるのは「人」です。パナソニック創業者の松下幸之助が「事業は人なり」という言葉を残しているとおり、やはり最初にくるのは人なんです。ですから、まずは風土改革に着手して、風土を土台として事業を伸ばしていこうということを、あらためて確認したという背景があります。

従来のサーベイでは、組織改善のためにやるべきことが分からなかった

「管理職が抱えていた課題」

藤野氏:これまで、社内でいくつかのサーベイを走らせていましたが、なかなか数値が上がらず、風土改革につなげられていませんでした。従来のサーベイは、結局、社員の状態を測るだけのものであり、「組織を改善するために何をすれば良いのか?」が分かりませんでした。そこは、各管理職も悩んでいたところだと思います。

また、人材が多様化するなかで、管理職はマネジメントの難しさに苦慮するようになっていました。もちろん、業務においては過去の経験が生きることも多く、管理職は「これまでは、こうやってきた」「こうすれば、上手くいく」という経験則を持っているものですが、多様な人材が入ってくるなかで、どのように対応していけばいいのか分からず、悩んでいた管理職も多かったと思います。

最初の360度サーベイで管理職がやる気になった

「リンクアンドモチベーションを選んだ理由」

藤野氏:これまでも、人材育成に関する施策やコンサルティングなど、様々なサービスを利用してきましたが、なかなか効果を実感することができずにいました。

そのなかでリンクアンドモチベーションに注目にした理由としては、人の動機・モチベーションにフォーカスした会社であり、それをどう高めていくか?ということを軸にしたサービスを提供していたことです。このような会社は、他にないのではないでしょうか。「人をどのように動かしていくか?」「自分がどう変わっていくか?」といったリンクアンドモチベーションの知見から学べることは多いはずだと考え、お声がけさせていただきました。

最初にお試しで360度サーベイを実施したのですが、そのときに管理職が、「これは今までのサーベイとは違う」と感じてくれたようです。皆が「これならやりたい」という雰囲気になっていたので、サービスの導入にあたって特に障壁になるようなことはありませんでした。2022年4月から事業会社制になったのですが、「自主責任経営」「社員稼業」という、どんな仕事も自分が社長を任されていると思って仕事をせよという経営理念に立ち返っていたタイミングでした。自分たちに合った仕組みを導入していこうという気運が高まっていたこともあり、非常にスムーズに導入できたのではないかと思います。

360度サーベイと研修で、一人ひとりの管理職がやるべきことを認識できる

「取り組みの内容と手応え」

藤野氏:ストレッチクラウドを導入したことで、一人ひとりの管理職が自分に対する「期待」と「満足」の乖離を把握できるようになり、乖離を埋めるためにやるべきアクションまで分かるようになりました。まず、360度サーベイでは、管理職自身が「何を期待されているのか?」「どこの満足度が高いのか?」といったことを認識できます。そして研修では、「どのような手を打っていくべきか?」といったことを学ぶことができます。

当然、人によって課題も期待されていることも違います。そういった意味で、一人ひとりの管理職が「自分は何をしていくべきなのか?」ということを考える機会をいただけるのは、非常に大きいことだなと思っています。

これまで全社でおこなっていたサーベイでは、「会社としての弱点」しか抽出されなかったので、どの組織も一律で同じ施策をおこなっていました。しかし、たとえば若手が多い組織なら、もっと育成的なアプローチが必要かもしれませんし、ベテランが多い組織なら、もっと戦略的な落とし込みが必要かもしれません。求められていることは、組織によって違うはずなんです。

ストレッチクラウドを導入したことで、このような組織によって求められるマネジメントの違いが分かるようになりました。実際に「組織に合った施策を打てるようになった」という声は多くの管理職から届いています。これが、ストレッチクラウドを導入したことによるもっとも大きな変化ではないでしょうか。

粂田氏:これまでのサーベイでは、結果を読み解いたり、得られたデータを活用したりすることができていませんでした。

ですが、ストレッチクラウドはサーベイをおこなって終わりではなく、その結果から管理職がより期待されている部分、伸ばしたほうが良い部分を読み解き、どのように改善していくのかというところまで、リンクアンドモチベーションにフォローしていただきながら進めていけます。そこはすごく心強いですし、管理職の行動変容にもつながりやすいと思います。

藤野氏:導入してから、管理職の意識が変わったことを感じています。たとえば、「そろそろ、モチベーションクラウド(※)の時期じゃない?」というように、組織サーベイの時期を意識する管理職が増えました。これは、「自分のアクションによって組織にどんな変化が生まれたのか?」が気になっているということだと思います。それだけ、風土改革に前向きに取り組んでくれているのだと捉えています。

※リンクアンドモチベーションが提供するエンゲージメントサーベイ

もちろん、ストレッチクラウドを導入して間もないので、まだ新鮮味を持って受け止められている側面もあると思います。長く続けていったら、「またか・・・」と思われてしまうかもしれません。そうならないようにアレンジを加えながら、なおかつ具体的な成果を示しながら運用していかなければいけないと思っています。

学びを深めながら、理想のマネジメントに近付いていける管理職研修

「リンクアンドモチベーションに感じる価値」

粂田氏:私が特に良いなと思っているのが、ストレッチクラウドのサービスの一つとしてご提供いただいている管理職研修です。1回きりで終わるものではなく、ストーリー立てた研修になっており、回を重ねるなかで学びを深めながら、理想のマネジメントに近付いていけるのが良いところです。

これまでも数多くの研修を受けてきましたが、その多くは単発で終わるものでした。ですが、リンクアンドモチベーションの研修では順序立てて学ぶことができ、毎回理解を深めていけるので管理職本人に浸透しやすく、変化や成長につながりやすい研修だと感じています。

藤野氏:「型にはめない」のも、リンクアンドモチベーションの研修の大きな特徴ではないでしょうか。「マネジメントはこうあるべきだ」という研修が多いなかで、それぞれの人に合った最適なやり方を追求していく内容になっており、その点も他の研修とは違うところだと思っています。

粂田氏:ストレッチクラウドは、360度サーベイの結果を確認したら、そのままストレッチクラウド上でアクションプランを立てることができ、そこから具体的な目標に落とし込むことができます。サーベイの結果を見た管理職自身が、手を止めることなく一気通貫で目標設定までできるのはストレッチクラウドの大きな魅力だと思います。

藤野氏:クラウド上で経年変化を見ることもできますし、粂田が申し上げたとおり、サーベイの結果が出たらすぐに「何をすべきか」が分かるので、スムーズに施策に移すことができます。フィードバックも含めて、非常に使いやすいツールだと感じています。

一般社員に対しても手を打っていくのが次のチャレンジ

「今後の展望」

藤野氏:先ほども申し上げたとおり、管理職はストレッチクラウドにすごく前向きに取り組んでいますが、まだ具体的な成果はこれからという段階です。360度サーベイに協力する側に目を向けると、特に管理職の部下のなかにはサーベイの必要性を実感できていなかったり、回答を煩わしく感じたりしている人もいるかもしれません。彼らも含めてポジティブな気運を作っていくため、事務局としては今後も発信し続けていかなければいけません。

また、今は管理職にアプローチすることで風土改革を進めていますが、下のメンバーは「課長が変わってくれる」「部長が変えてくれる」というように、受け身の姿勢になってしまう可能性もあります。管理職より一般社員のほうが組織の土台として大きいため、彼らの変革を後押ししていくことも大切です。彼らに自分たちの役割を認識してもらったり、部課長を目指すにあたって何をすべきかを考えてもらったりと、一般社員に対しても手を打っていくのが次のチャレンジになるかと思っています。

風土改革を通して組織力の最大化を目指していきたい

「今後目指していきたい成果、組織像」

藤野氏:これまでの組織は、「こうやりなさい」という風土が色濃い組織でした。しかし今回、ストレッチクラウドを導入したことがメッセージとなり、管理職はみな前向きに風土改革に取り組んでくれています。彼らが「結節点」となって風土改革を推進してくれれば、事業にも良い影響が生まれるはずだと思っています。

利益を出すこと以上にお客様に貢献していくという本質に立ち返り、会社としての存在意義を発揮できる組織にしていくのがいちばんです。お客様に価値を提供し続けられる企業であるために、風土改革を通して組織力の最大化を目指していきたいと思います。

粂田氏:私たちが担当している空調事業ではストレッチクラウドを導入し、先んじて風土改革に着手しました。ですが、最終的に目指すのは空質空調社全体で風土改革を実現することです。今の取り組みによって、会社全体の風土改革をけん引していけるような管理職を一人でも増やしていくことが当面の目標です。

※本事例中に記載の肩書きや数値、固有名詞や場所等は取材当時のものです。

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