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プレイングマネジャーから抜け出せない、あなたへ

どの企業も勝ち筋を見出そうとするVUCAの時代において、マネジャーに求められる役割は、多岐に渡っています。特に中間管理職は多くの企業において、エンゲージメントが低く、疲弊している状態です。

その最も根源的な理由は、プレイヤーとマネジャーの両方を求められているにも関わらず、マネジメントがうまくいっていない。両立できない、という状態に陥っていることにあります。

本記事では、プレイングマネジャーを脱せない真の理由と、解決に向けた観点をご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.プレイングマネジャーとは
  2. 2.前提の考え方と俯瞰力を鍛えれば、プレイングから脱することは可能である
  3. 3.どうしても脱せないプレイングマネジャーからの脱出3つの方法
  4. 4.プレイングマネジャーのまとめ

プレイングマネジャーとは

多くの企業の課題として上がるのが、中間管理職のプレイング化と言われています。そもそもプレイングマネジャーになってしまうのは、何故でしょうか。

また、プレイングマネジャー=「悪」だと言われていますが、 果たしてそうでしょうか。そもそものプレイングマネジャーになってしまう構造をお伝えします。

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中間管理職(ミドルマネジメント)の役割と陥りがちな病とは

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​​​​​​​プレイングマネジャーとは?求められる役割や失敗例を紹介

プレイングマネジャーになってしまう理由
~プレイングマネジャーは本人ではなく、会社が求めている?~

ある調査では、「あなたはプレイングマネジャーですか?」という問いに対して、YESと答えた人が、98%を占めることがわかっています。特に中間管理職においては、実態は顕著ではないでしょうか。

何故、そもそもプレイングマネジャーになってしまうのか。という問いに対しての答えは、明確です。

本人の意思ではなく、「会社が求めているから」に他なりません。

この記事を読む方は、プレイングマネジャーから脱したいと思っている方もいらっしゃると思いますが、 そもそも最初に気が付くべきことは、こんなにも事業や技術が進化した今も、何故プレイングをしなければならないのか。という点です。

それは、以下の環境整理から見て取れることです。 

商品市場における変化

産業構造において、第二次産業(鉱工業・製造業・建設業など)の割合が半数以上を占めていた時代から、 第三次産業(金融、保険、卸売り、小売、サービス業、情報通信業など)中心の時代へ変化している中で、「競合優位性」「商品のライフサイクル」が大きく変わってきています。

プレイングマネジャーから抜け出せない、あなたへ


そういった時代から考えると、変化する商品市場でこれからも勝ち続けるためには、「顧客接地面強化」と「現場での適切な判断」が必要になってきます。

一昔前のような、勝ち筋が決まっており、それを大量生産すればいい時代は、終わっています。 多くの企業は、より顧客との接触頻度と質を高める動きを加速させます。

一方で、顧客接地面が増えると、お客様の多様なニーズに適応をし続けなければいけないジレンマも同時に発生をします。

その時に、大事になってくるのが、現場の管理職の「判断」です。 安易に値引きの横行をしないように、ポリシーをもって対峙する、対応難易度が高まっているお客様のニーズに適切に対応をし続けるなど、上司の存在が会社の存続を保っているといっても過言ではないのです。

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プレイングマネジャーとは?増えた背景や仕事内容を解説

プレイングマネジャーは悪なのか
~プレイングができるマネジャーの方が、説得力がある~

先ほど述べた、市場環境の変化を汲むと、マネジャーが「プレイング」をするというのは、悪なのか。という問いが立ちます。

人事の皆様と話をしていると、よく「プレイングマネジャー化しているので問題です」という相談を受けることがありますが、プレイングを求めているのは、実は会社であるという実態があるのではないでしょうか。

むしろ、社長、役員、本部長レイヤーから部長や課長に求めるのは、自分がプレイヤーをしてでも売上を上げること(1社も落とせない状況)です。

更なる事実もあります。それは、メンバーレベルからすると、簡単に売り上げが立たない現状において、何とか正解を作ってくれるプレイングマネジャーは、ヒーロー/ヒロインに他なりません。

むしろ、メンバーレベルからすると、「何故売れないのか。」という問いだけ立てるようなマネジャーは、信頼がおけないのです。

信頼がおけるマネジャーとは、勿論メンバーに寄り添いケアができる事も大事ですが、本当の意味で組織を守り、事業を守っていく力があるマネジャーのことです。

プレイングマネジャーが一概に悪いわけではないことがお分かりいただけたのではないでしょうか。

ただ一方で、それでも尚、毎日目まぐるしく過ぎていく日々でマネジメントが出来ない本当のストレスからは解放されません。次の章では、どうしたらプレイングマネジャーから脱することができるのかをお伝えします。

前提の考え方と俯瞰力を鍛えれば、プレイングから脱することは可能である

一般的に、プレイングマネジャーの方法として、「プレイングをしながらマネジメントの時間をどう確保するのか」という誤った解決方法が蔓延しています。

よくある典型的な例として「マネジメントを行う時間を固定する」 がありますが、時間を確保していても、プレイングをしなければならず、結果としてマネジメントの時間が取られていないということはよくあるのではないでしょうか。

多くの企業におけるプレイングマネジャーから脱することを阻む真の要因は、「プレイングをしながら、マネジメントの時間を確保ができない」と思っている前提です。

「プレイングとしての価値発揮を限定(それ以上はやらない)し、主にマネジメントを基軸に考える」というやり方に変えることがポイントです。

①プレイングをしながら、マネジメントをするのは不可能である

プレイヤーの経験がある方々ならお分かりだと思いますが、プレイヤーとして業績や成果を上げていこうとすると、やるべき事が留めどなく溢れてきます。

また、メンバーのできない事にも目がいき、短期成果のために、 どうしても、手を貸したり、業務を引き取らなければいけない状態に陥ることが多々あります。

その中で、マネジメントの時間を確保することは、ほぼ不可能といっても過言ではありません。そもそも最初のスタートから、脱しにくいプレイングマネジャーの道をあなた自身が選んでいるのです。

②脱プレイングマネジャーをしている人と脱せない人の一番の違いは、俯瞰力である

プレイング業務は、時に社長レイヤーも行っていることがあることを考えると、プレイングをすること自体は、悪ではないのです。それでも尚、時と場合に応じてプレイヤーを行えるのは、「俯瞰力」があるからなのです。

何を「俯瞰」するのかが捉えられていない人は、そもそも気になる事が近視眼的であり、経験値が高くすぐに支援しやすい業務指導の力学に引っ張られてしまうのです。

③プレイヤーとしての価値を限定することが大事である

プレイヤーとしての経験値がある人は、メンバーが行う全工程を一定実行できる人です。多くのメンバーが助けを求めてきたり、手を差し伸べることはあると思いますが、マネジャーとして大切なことは、「限定」をすることです。

組織の最大公約数的に、自分のプレイヤー価値とは何に投資すべきなのかを見定めて周囲に発信していなければ、終わりないプレイヤーの延長業務が発生することとなり、結果としてメンバーも育ちにくくなります。​​​​​​​

▼プレイヤー意識が抜けないマネジャーの変革方法とは 資料はこちら

  プレイヤー意識が抜けないマネジャーの変革方法とは マネジメントに求められるレベルが上がっている一方で、マネジメントに必要な意識や能力が備わっておらず、結果としてプレイヤーと同じ状態に陥っている「プレイヤー意識が抜けないマネジャー」が増加している。 ​​「プレイヤー意識が抜けず、結果として、事業や組織で様々な問題を起こしてしまうマネジャー」に対して、マネジメントスキルを高めるには何をするべきかを、本資料で解説する。 管理職研修・育成ならストレッチクラウド

どうしても脱せないプレイングマネジャーからの脱出3つの方法

①属人から仕組みで勝つ組織創りへ

「気になる箇所を指摘する」から「メンバーが自ら振り返ることができる仕組みを構築する」という組織づくりをすることが大切です。

よく「仕組み」と言いますが、簡単に言い換えると「誰でもわかるチェックポイントを作る」ということです。

マネジメントにおいては、以下の領域が大事になります。

<事業×組織と経営視点×現場視点>

1.戦略マネジメント(事業×経営視点)
2.ビジョンマネジメント(組織×経営視点)
3.PDCAマネジメント(事業×現場視点)
4.メンバーマネジメント(組織×現場視点)

上記において、例えば以下のようなチェックポイントを作成する事ができます。

・何がお客様にとって価値になっているのか?
・何を実現したいのか?
・今日何をクリアしたら、勝ちなのか?
・あなたの強みと弱み、課題は?

それぞれが自動で振り返られるような、会議体や帳票を作成することで、 自分自身が気になったことを気になったタイミングで指摘するのではなく、メンバー自身の能力にも依存することなく、自然とチェックが行われ、修正行動だけを促していけば良い仕組みを構築ができます。

②俯瞰力を高めるために必要な4つのポイント

先ほども触れましたが、俯瞰力がないと、気になることが、目の前の業務に終始してしまうことが多数あります。では、俯瞰力をつけるためには、どんな観点が必要になってくるのでしょうか。

構造理解

上記の4象限にプラスすると、「儲ける」という観点が必要になってきます。戦略マネジメントと近しい部分ではありますが、具体的にお伝えすると、会計やファイナス、事業成長のためのプランニングになります。

メタ思考

世界の捉え方を具体的な事象レベルではなく、抽象化をして捉える思考力です。具体的事象では、50個問題があっても、抽象化したら、3つになることもあります。限られた時間の中でそもそもマネジメントを行っていく上では、抽象化力は欠かせません。

トレードオフの概念

何かやる。ということは、何かができなくなる。ということです。この概念を理解できていない人が多いと思います。まずは、この概念を理解することからトレーニングを始めてください。

一部のトレーニングの例をお伝えすると、依頼をされたプレイング業務は一見、緊急度も重要度も高く見えますが、その業務を引き受けることで、得られる価値とその分投下できないもので実現できる価値を天秤にかけてみてください。

ここでポイントなのは、「時間軸」と「ステークホルダー」の存在を加味して価値を算出することです。

ネガティブシミュレーション力

ネガティブに計画して前向きに取り組む力を持っていると、物事を常に俯瞰することができます。ネガティブシミュレーションが強いのにアクションはアクティブな人間は経営陣からの圧倒的な信頼を得ることができます。

③お勧め書籍

もう少し勉強したいという方向けに、書籍をご紹介します。今回は、どうしてもプレイングマネジャーが脱せない方向けとなりますので、初心者向けの書籍となります。ご参考にしてください。

・ロジカルシンキング(論理的な思考と構成のスキル) 照屋華子・岡田恵子著
・世界一やさしい問題解決の授業 渡辺健介著
・世界一やさしい右脳型問題集 渡辺健介著
・コンサル1年目が学ぶこと 大石哲之著
・財務3表一体理解法 國貞克則著
・書いてマスター!財務3表 國貞克則著
・財務3表一体理解法超入門 國貞克則著
・MBAより簡単で英語より大切な決算を読む習慣 シバタナオキ著
・ビジョナリー カンパニー4 ジム・コリンズ著

プレイングマネジャーのまとめ

本ページで述べたように、勝ちパターンがなく複雑性が高いニーズへの対応といった背景から、各企業におけるプレイングマネジャーの両立はますます求められています。

プレイングをしている事に後ろめたさを感じることなく、ヒーロー/ヒロインであるという自覚を持ちつつ、前提として「プレイヤーとしての価値を限定する」ということを思考としてロックしましょう。そして、俯瞰力を身に着けて、マネジャーとしてのやるべき事を同時実現していきましょう。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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