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人材育成の目標の重要性とは?設定のしかた・具体例・押さえたいポイントまで

労働人口の減少にともなって優秀な人材の獲得が難しくなっている昨今、自社での人材育成の重要性が高まっています。企業における人材育成に欠かせないのが「目標設定」です。今回は、人材育成における目標設定の重要性や、目標の立て方、目標管理のポイントなどについて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.人材育成における目標設定の重要性
  2. 2.人材育成における目標の立て方は?4つの手順
  3. 3.人材育成における目標設定の例~職種別~
  4. 4.人材育成における目標管理のポイント
  5. 5.人材育成における目標設定・管理に活用したいおすすめの研修
  6. 6.管理職研修・育成ならストレッチクラウド
  7. 7.まとめ
  8. 8.人材育成における目標設定・管理に関するよくある質問


人材育成における目標設定の重要性

人材育成・人材開発に取り組もうと思ったら、第一にやるべきことが目標設定です。的確な目標を設定することで、驚くほどのスピードで成長を遂げる従業員もいます。

人材育成・人材開発については、以下の記事で詳しく解説しています。

>> 人材開発・人材育成とは?必要なスキルや効果的な手法を解説
https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/column/0048

従業員のスタンス・スキルが向上する

目標設定をすることで、従業員のスタンスやスキルの向上が期待できます。従業員が「今の現状では目標を達成できない」と考えれば、自分で本を読んだり、研修を受けたり、上司にアドバイスを求めたりと、目標達成に向けた努力をするようになります。その過程でスキルや専門性を身に付けていくため、能力が向上します。

個々の従業員のコミットメントが高まれば、組織力の向上にもつながります。部署の目標達成も、企業としての経営目標達成も、個々の従業員の目標達成に向けたコミットメントによってもたらされると言っても過言ではないでしょう。

上記考え方は、リンクアンドモチベーションが設定した、「人材要件フレーム」
(=若手社員育成の全体像を整理したもの)にも表されています。
下記のように、育成の際は、実現したい目標に対して「コミットメント」することと、組織人としての「パフォーマンス」を高めることが重要です。

【図1】人材要件フレーム

人材 育成 目標

スキルの種類やスキルアップの方法については、以下の記事で詳しく解説しています。

>> スキルとは?種類やスキルアップの方法について徹底解説
https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/column/0077

従業員のモチベーションが高まる

人材育成のために目標設定をすることは、従業員のモチベーションアップにもつながります。従業員のモチベーションが低下する要因としてよく言われるのが、「やるべきことが分からない」「目指すべきゴールが分からない」といった理由です。目標とはすなわちゴールであり、ゴールがあれば、それを達成するためにやるべきことも明確になるので、従業員は高いモチベーションで目標達成を目指すことができます。

目標達成までの道筋が分かる

目標設定をすると、人は「現地点から目標地点までの位置関係」を把握しようとします。そして、現地点から目標地点に向かうルートを考え、一歩を踏み出します。目標を設定することで目標達成までの道筋が見えるだけでなく、「今、自分がどこにいるのか?」を把握できるため、一歩一歩でも着実に目標に近付いていくことができるはずです。

その際、自分自身だけで目標設定をすると、「立てた目標が、上司の期待とずれる」ことがよく起こります。リンクアンドモチベーションでは、360度サーベイを用いて、上司からの期待度、現状の満足度の2軸で、現在地を把握し、アクションプランを立てる研修を実施しています。

【図2】目標設定に向けて現在地を知るための考え方

人材 育成 目標

人材育成における目標の立て方は?4つの手順

「ベーシック法」に基づいて、人材育成における目標の立て方をご説明します。ベーシック法とは、以下の4ステップで目標を設定する方法です。

①目標項目を設定する

まずは、目標項目を設定します。簡単に言えば、「何を達成するのか?」ということです。目標項目は以下の4タイプに分けることができます。

・向上・強化:現状に問題はないが、よりレベルアップするための目標
・改善・解消:現状に問題があり、それを改善・解消するための目標
・維持・継続:現状を維持し、従来取り組んできたことを継続するための目標
・創出・開発:新しいことを創出・開発するための目標

②達成基準を設定する

次に、達成基準を設定します。達成基準とは、目標項目を達成したかどうかを判断するための基準のことです。「数値」で設定するのが基本ですが、数値化が難しい場合は「状態」で設定しても構いません。たとえば、以下のような達成基準が考えられるでしょう。

・100万円の売上を獲得する
・スマホアプリを2つ開発する
・新商品のWebサイトを立ち上げる

③期限を設定する

次に、目標を達成する期限を設定します。1ヶ月や3ヶ月、半年程度の短期間で設定し、目標設定&振り返りを繰り返すのがおすすめです。上述した達成基準に期限を設けると、たとえば以下のようになります。

・1ヶ月で100万円の売上を獲得する
・3ヶ月でスマホアプリを2つ開発する
・今月中に新商品のWebサイトを立ち上げる

④達成計画を作成する

最後に、達成計画を作成します。「目標を達成するために何をすべきか?」という具体的なアクションプランを練っていきます。アクションの頻度や手段、関係者や関連部署、利用するツールなども含めて、具体的な計画に落とし込みましょう。

人材育成における目標設定の例~職種別~

人材育成における目標設定の例を職種別にご説明します。

営業職の目標設定の例

営業職の目標は、売上や利益、成約率や顧客数、リピート率など、ほとんどが数値目標になるでしょう。

(例)結果目標
・月内に20件のアポイントを獲得し、個人売上100万円を達成する。
・今月の成約率を前月比で10%高める。

前提として、目標設定に向けては、結果目標と行動目標という2つの側面で考えることが重要ですので、上記を結果目標としたときに、行動目標としては、

(例)行動目標
・20件のアポイントを取得するために、振り返りの時間を1日30分設け、上司に相談を入れる
・成約率を10%高めるために、上司同行時の事前情報連携を必ず行う

等が当てはまるでしょう。

マーケティング職の目標設定の例

マーケティング職の役割は、Webサイトやネット広告などを活用して多くの見込顧客を集めることです。目標としては、WebサイトのPV数やコンバージョン率、リード獲得数などが候補になるでしょう。

(例)
・WebサイトのPV数を前月比で20%増やす。
・月に2回ウェビナーを開催して、100件のリードを獲得する。

技術職の目標設定の例

技術職は数値目標が立てにくい職種です。他の職種に比べてスキルの重要度が高いため、スキルアップや資格取得を目標にするケースが多くあります。たとえば、ITエンジニアの場合は以下のような目標設定が考えられるでしょう。

(例)
・今期中にPythonを使いこなせるようにして、Pythonで1件のシステム開発をする。
・ダブルチェック体制を構築して、システムのバグ件数を3件以下に抑える。

事務職の目標設定の例

事務職も数値目標が立てにくい職種ですが、「無駄を減らす」方向で考えると、数値目標を立てやすくなります。

(例)
・備品の購入先を見直すことで、消耗品コストを前期比で10%削減する。
・業務効率化を推進するとともにノー残業デーを導入し、月の残業時間を10時間削減する。

管理職の目標設定の例

組織の成果に責任を負う管理職の目標は、組織全体の目標になるのが通常です。部下の育成に関する目標も管理職向けの目標だと言えます。

(例)
・今期の部署の売上5,000万円を達成する。
・部下の育成に努め、今期中に2名を主任に昇格させる。

人材育成における目標管理のポイント

人材育成における目標管理のポイントについてご説明します。

▼目標管理に関する記事はこちら
目標管理とは?行動振り返り、MBO、OKRを詳しく解説

日常的に目標を意識できる仕組みを作る

目標を設定したばかりの時期は、誰もがモチベーションの高い状態で目標に向き合っています。しかし、日々の業務に忙殺されていると、時間とともに目標に対する意識が薄れてしまうことがあります。そうならないようにするには、1on1ミーティングや定例ミーティングのなかに目標の進捗管理を組み込むなど、日常的に目標を意識できる仕組みを作るのがおすすめです。スキルマップを作成するのも効果的です。スキルマップ上でメンバーの目標を可視化しておけば、ふとしたときに目標を意識することができるでしょう。

定期的に現在地を把握する

年間目標など、長期スパンで目標を設定するケースも少なくありません。そのような場合、残り1ヶ月になって「もう目標達成の見込みはありません」では困ります。確実に目標を達成するためには、定期的に現在地を把握することが重要です。現状の達成度合いが分かれば、取り組みの方法やペースを見直すこともできますし、進捗に遅れがある場合はその原因を探るきっかけにもなるでしょう。個別面談や定例ミーティングを活用して、定期的に目標の進捗管理をおこなうようにしてください。

必要に応じて修正を加える

たとえば、目標達成が現実的に不可能になったときや、大幅に早い段階で達成できそうなとき、また環境変化や経営方針の変更など社内外の状況が大きく変化したときや、目標達成に影響を与える関係者や部下が退職したときなどは目標を修正すべきです。従業員のモチベーションを維持するためにも、当初予期していない状況になったときは柔軟に目標を修正しましょう。

eラーニングを活用する

目標を達成するためには、スキルアップが不可欠な場合もあるはずです。部下のスキルアップを支援するためには、eラーニングを導入するのがおすすめです。eラーニングを導入すれば、ネット環境さえあればいつでもどこでも学べるようになるため、部下は主体的に学びを進めることができます。ベンダーによってコンテンツの内容や量は異なるため、よく比較して、自社・自部署に合ったものを選定するようにしましょう。

人材育成における目標設定・管理に活用したいおすすめの研修

人材育成における目標設定・管理に活用したいおすすめの研修をご紹介します。

新入社員研修

リンクアンドモチベーションでは、新入社員研修を多くご支援しています。
下記のように、受け身でお客様的な新入社員に対して、当事者意識化するために、
本質的な陥りやすい意識から変えていく、という考え方のもと、研修をご支援しています。

【図3】新入社員を育成するアプローチ方法

人材 育成 目標

参照リンク:https://solution.lmi.ne.jp/hr_development/c/newcomer/darwin_basic

②管理職研修・ストレッチクラウド
次項よりご参照ください。

▼ 本当に新入社員が成長する3つのポイント 資料はこちら

  本当に新入社員が成長する3つのポイント コロナ禍の影響で、新⼊社員育成には今までになかった新たな観点が必要になっている。これからの時代に求められる新⼊社員育成のポイントとは。過去20万人以上に対して新入社員研修を提供してきたリンクアンドモチベーションが徹底解説。 管理職研修・育成ならストレッチクラウド

管理職研修・育成ならストレッチクラウド

リンクアンドモチベーションでは、ストレッチクラウドにて管理職の皆様のマネジメントスキルの育成を支援するサービスを展開しています。特徴は下記3点です。

▼ストレッチクラウドの特徴

➀360度サーベイによって、管理職への期待と満足度が可視化できる。
②管理職としての成長プランを個々で設計できる。
③弊社コンサルタントが併走し、行動変革をサポートする。

関連リンク:https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/

まとめ

人材育成のために目標設定は不可欠です。個人が目標を達成できれば、それが組織や会社の目標達成にもつながります。仮に目標を達成できなかったとしても、目標達成に向けて取り組んだことは無駄にはならず、個々の成長につながるはずです。目標設定の重要性をあらためて認識して、効果的な人材育成をおこなっていきましょう。

Googleやメルカリが導入している目標管理手法「OKR」については、以下の記事で詳しく解説しています。
>> OKRとMBOとの違いとは?導入のメリットや運用方法を解説
https://solution.lmi.ne.jp/column/8291

人材育成における目標設定・管理に関するよくある質問

Q:SMARTの法則とは?

SMARTの法則は、目標設定の際に用いられる有名なフレームワークです。以下の5点を意識することで、目標を定量的かつ具体的に設定することができます。

・S(Specific:具体的で分かりやすいこと)
・M(Measurable:数値化されていて計測できること)
・A(Achievable:実現可能性があること)
・R(Related:経営目標に関連していること)
・T(Time-bounded:期限が明確になっていること)

Q:目標を達成できない人の特徴は?

目標を達成できない人の特徴としてよく言われるのが以下の3点です。

・そもそも自分で目標設定をしていない(人が決めた目標である)
・高すぎる目標を設定している
・目標を達成するための計画がずさんである

特に、自分で目標設定をしていない人はモチベーションを維持しにくく、達成見込みが低くなります。上司が部下の目標設定にアドバイスをするケースがあると思いますが、上司の意向を押し付けるのは良くありません。自分で決めた目標だから意欲的に取り組めるということを忘れないようにしましょう。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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