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基幹職とは?意味や一般職との違い、求められる役割などを解説

基幹職という職種・コースを設けている企業がありますが、基幹職の役割や仕事内容は会社によって差があります。そのため、「総合職や一般職と何が違うのか分かりにくい・・・」といった声も聞かれます。今回は、基幹職について、その意味や一般的な役割について解説するとともに、基幹職を設けている企業の事例などを紹介していきます。

目次[非表示]

  1. 1.基幹職とは?読み方や意味
  2. 2.基幹職と総合職・一般職の違いとは?
  3. 3.基幹職と専門職の違いとは?
  4. 4.基幹職がある企業の例 
  5. 5.基幹職に求められる役割
  6. 6.基幹職に求められるスキル
  7. 7.基幹職人材を育成するポイント
  8. 8.管理職研修・育成ならストレッチクラウド
  9. 9.まとめ
  10. 10.基幹職に関するよくある質問

基幹職とは?読み方や意味

基幹職(きかんしょく)は、企業が設ける職種・コースの一つです。基幹職の定義は会社によって異なりますが、一般的に基幹職と言ったら、特定の業務を専門とするプロフェッショナル職のことで、将来的に会社の中核でマネジメントを担ったり、ビジネスのスペシャリストとして活躍したりすることが期待されている職種のことを言います。

ただし、会社によっては「管理職層」を指す言葉として「基幹職」を使っているところもあります。この場合、課長以上や部長以上などレイヤーの高い管理職を基幹職と呼ぶケースが多いようです。

基幹職と総合職・一般職の違いとは?

基幹職と一般職、総合職との違いについてご説明します。

基幹職と総合職の違い

総合職は、企業活動の中心となる業務に携わる職種であり、将来的に管理職になることを期待されている幹部候補でもあります。総合職の業務内容は多岐にわたりますが、ゆくゆくは経営に近いポジションで活躍する人材になれるよう、様々な業務を経験するのが一般的です。基幹職も将来の幹部候補ではありますが、イメージとしては「特定の専門分野のプロフェッショナル」を目指すという色合いが強くなります。

総合職は業務内容や配属先が幅広く、多様なキャリアを選択できますが、基幹職はあらかじめ担当業務や担当サービス、担当エリアが決められており、その領域のプロフェッショナルとしてキャリアを築いていきます。ただし、上述のとおり、総合職と同じ意味で基幹職という言葉を使う企業もあります。

基幹職と一般職の違い

一般職は、総合職の仕事をサポートする役割を持ち、基本的には事務仕事を担う人のことを言います。内勤が中心で残業が少なく、転勤や部署異動もほとんどないのが一般職の特徴です。一方、基幹職は将来の幹部候補として専門分野を追求するプロフェッショナルです。会社の中核を担っていく存在であるか、会社を下支えする存在であるかという点が、両者の大きな違いだと言えるでしょう。

基幹職と専門職の違いとは?

基幹職は、その専門性を活かして活躍するプロフェッショナルのことです。一方、専門職は専門性が求められる職種全般を指す言葉で、免許や資格が必要になる職種もあれば、知識や経験があれば従事できる職種もあります。代表的な専門職としては、医師、弁護士、建築士、公認会計士、看護師、大学教授、パティシエ、通訳などが挙げられるでしょう。

基幹職はあくまでも企業のなかで中核を担って活躍する人ですが、専門職は企業に所属しているかどうかは問題になりません。個人で独立して活躍している専門職の人も数多くいます。

基幹職がある企業の例 

基幹職を設けている企業の例をご紹介します。

トヨタ自動車

トヨタは古くから基幹職を設けていた会社ですが、2019年に人事制度を刷新し、基幹職の位置付けを変更しています。刷新前は、トヨタの管理職は基幹職3級(課長相当)、基幹職2級(次長相当)、基幹職1級(部長)に区分されており、1級の先のキャリアパスとして常務役員や常務理事がありました。これが、人事制度の刷新によって、基幹職2級、基幹職1級、常務役員、常務理事が一括りにされ、「幹部職」という呼称に変更されました。刷新の狙いは、出世の階段を減らすことで有能な若手人材を抜擢しやすくすることだと言われています。

第一生命グループ

第一生命グループの基幹職は、幅広いビジネスフィールドに挑戦し、活躍できる職種です。入社当初は広く会社の業務に携わり、将来的には全社的なマネジメントやビジネスのプロフェッショナルを目指すコースと、組織の中核人財候補として特定のビジネスフィールドにおいて専門性を活かした価値創出をおこなうコースがあります。また、アクチュアリー、クオンツ、データサイエンティストなど、それぞれのフィールドで高い専門性を発揮して活躍するキャリアパスもあります。

日本郵政グループ

日本郵政グループには、「総合職」「地域基幹職・エリア基幹職」「一般職」という3つの採用区分があります。総合職は、サービスや仕組みを自らつくり上げ、コントロールする職種です。これに対し、地域基幹職・エリア基幹職、および一般職は、お客様にサービスを提供する職種であり、地域基幹職・エリア基幹職はお客様にもっとも近いフロントラインに立ってサービスを提供するポジションです。郵便局や支店内における業務もあれば、お客様のもとに出向いてサービスを提供する業務もあります。

基幹職に求められる役割

「基幹職=管理職層」という意味で基幹職を設けている企業も多くあります。このような会社において基幹職に求められる役割を見ていきましょう。

業務をマネジメントする役割

一般社員に求められるのは、自分に与えられた仕事を確実に遂行することです。一方、基幹職には、一人ひとりの部下の進捗状況を把握し、組織全体の業務を管理していくことが求められます。組織としてどのように成果を出し、どのように会社に貢献すべきかを考え、戦略・施策を実行するのが基幹職の役割だと言えるでしょう。

部下をマネジメントする役割

基幹職に求められるのは、個人としてパフォーマンスを発揮することではなく、「いかにして部下のパフォーマンスを最大化するか?」ということです。組織として業績を上げ、目標を達成するためには部下のマネジメントが不可欠です。一人ひとりの部下の強み・弱みを把握し、適材適所で仕事を与えるのはもちろんのこと、「部下は存分に能力を発揮できているか?」「部下が能力を発揮しきれない原因は何か?」「部下の能力向上のために何をするのが効果的なのか?」といったことを常に考え、部下のパフォーマンスアップを通して組織力向上を図っていきます。

結節点としての役割

基幹職には、「結節点」として経営と現場の橋渡しをする役割が求められます。部下の業務も見ながら、経営側の視点を持って物事を判断することが重要です。

ある程度の規模の会社になると、どうしても経営と現場のギャップが深くなっていきます。経営と現場の間に立って情報の収集・伝達をし、このギャップを埋めるのが基幹職の役割です。双方の主張を理解し、反対側の視点や課題を把握したうえで、それぞれに意訳して伝えることでギャップを埋めていきます。

結節点に関しては、以下の記事で詳しく解説しています。

>> 結節点とは?ビジネスおける意味・結節点人材の必要性などを解説
https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/column/0090

基幹職に求められるスキル

「基幹職=管理職層」という意味で基幹職とを設けている企業も多くあります。このような会社において基幹職に求められるスキルについてご説明します。

テクニカルスキル

テクニカルスキルとは、業務を正確に遂行するためのスキル・知識のことです。テクニカルスキルは大きく、汎用スキルと専門スキルの2つに分けることができます。汎用スキルは、社会人として備えておくべきビジネスマナーやパソコンスキルなどです。専門スキルは、特定の職種において求められる専門スキルのことで、基幹職の場合は、マネジメントスキルなどが挙げられるでしょう。

ヒューマンスキル

ヒューマンスキルとは、周囲の人と良好な関係を構築するためのスキルのことです。基幹職の場合は、「部下や組織に働きかける力」と捉えることもできるでしょう。ヒューマンスキルには、「リーダーシップ」「コミュニケーション能力」「ヒアリング能力」「コーチング能力」「ファシリテーションスキル」「ネゴシエーション能力」「プレゼンテーション能力」といった様々なスキルが含まれます。

コンセプチュアルスキル

コンセプチュアルスキル(概念形成力)とは、複雑な問題に対峙したときに概念化したうえで本質を理解するスキルのことです。基幹職においてイメージしやすのは、現状を分析して中長期の計画を立てる能力や、問題の本質を見極めて根本的な解決を図る能力です。日々、重要な意思決定が求められる基幹職にとって、物事の本質を見極めるコンセプチュアルスキルは非常に重要です。テクニカルスキルやヒューマンスキルは高くても、コンセプチュアルスキルが不足している人は多く、基幹職としての差がつく部分でもあります。

基幹職人材を育成するポイント

基幹職として活躍できる人材を育成するための重要なポイントが以下の2つです。

基幹職の役割を明確に定義する

基幹職になった人が考える自分の役割と、会社が基幹職に求める役割の間には、大きな乖離があるケースも少なくありません。このような場合、乖離を埋めなければ基幹職が機能しなくなってしまいます。企業によって基幹職に求める役割には差があるので、会社が期待する役割やスキルを明確に言語化し、しっかりと伝えるようにしましょう。

基幹職向けの研修体制を整える

会社が期待する基幹職になってもらうためには、個人の努力に任せるだけでは不十分です。積極的に研修を受講させて、能力開発を支援していきましょう。研修は知識・スキルが未熟な新入社員のためにおこなうものだと考える人もいますが、役職が上がるほど、求められる知識・スキルが高度化・多様化するため、基幹職だからこそ研修に力を入れるべきだと言えます。

管理職研修・育成ならストレッチクラウド

ここまで、基幹職について説明してきました。

ストレッチクラウドでは、管理職として活躍する人材を育てるために、まず、研修を通して事前に役割理解や役割遂行のための観点付与を行います。その後、360度評価によって周囲からの期待と満足を可視化し、役割遂行に向けた自己課題は何か/課題を解決するためのアクションプランは何かを明らかにするというワークショップを継続的に実施します。結果として、結節点人材になるための自立的な成長サイクルを実現しています。

また、管理職になる前のリーダークラスへ導入しておくことで、今後、管理職に登用されていくリーダークラスを、登用直後から管理職として活躍出来る人材としていくために、先んじて、自立的な成長支援サイクルをまわし始めておくということも可能です。

ストレッチクラウドの詳細は、以下のサイト・記事で詳しく解説しています。
▶ストレッチクラウドの詳細はこちら:https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/

まとめ

基幹職に求められる役割は多岐にわたり、育成するためには環境・制度の構築に加え、ある程度の期間が必要になります。もちろん、社内リソースだけでは育成が難しいケースも多いでしょう。早め早めの段階から、外部研修などをうまく活用して優秀な基幹職を育成していくことが大切です。

基幹職に関するよくある質問

Q:基幹業務とは?

基幹業務とは、企業活動に欠かせない主要な業務のことを言います。具体的には、販売管理や生産管理、顧客管理、財務会計、労務管理、人事管理など、経営に大きな影響を与える業務です。このような基幹業務を管理するのが「基幹システム」であり、英語で「Mission Critical System」と言われるように、障害が発生したら企業活動に大きな影響が及ぶシステムのことを言います。

Q:基幹職に向いてない人とは?

「コミュニケーションが苦手」「一貫性がない」「気分に波がある」「相手によって態度を変える」「人に任せられない」といった人は基幹職も不向きです。特に「部下に任せること」は重要であり、何でも自分でやらないと気が済まない人が基幹職になると、業務が遅延したり、部下の成長が阻害されたりと組織として良いことはありません。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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