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本当に辞める人の特徴は何も言わないこと?前兆や理由について解説

優秀な人材の離職を防ごうと、各企業は様々な対策を講じていると思います。しかし、難しいのは「辞めそうな従業員は意外と辞めず、辞めないと思っていた従業員に限って突然辞めてしまうこと」です。本当に辞める人はある日突然、退職の意向を伝えてくるものです。今回は、本当に辞める人の特徴やよくある退職理由、また突然辞める従業員を減らすための対策などについて解説していきます。


目次[非表示]

  1. 1.本当に辞める人はなぜ何も言わないのか?
  2. 2.本当に辞めそうな人を事前に把握する重要性とは
  3. 3.本当に辞める人の特徴・兆候
  4. 4.本当に辞める人が退職を決める理由
  5. 5.辞めないと思ってた人が次々と辞めていくと会社はどうなる?
  6. 6.辞めないと思ってた人が辞めるのを避けるために
  7. 7.まとめ
  8. 8.よくある質問
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本当に辞める人はなぜ何も言わないのか?

口では「辞めたい」「もう辞める」と言いながら実際にはなかなか辞めない従業員がいる一方で、本当に辞める従業員はそんな様子はまったく見せず、ギリギリになって退職の意向を伝えてくるケースが少なくありません。なぜ、本当に辞める従業員は何も言わないのでしょうか。考えられる主な理由としては、以下の3点が挙げられます。

■会社に対して諦めているから

本当に辞める従業員が、直前まで辞める意思を表明しない理由として、会社を見限っていることが考えられます。たとえば、その従業員が会社に対して何らかの不満を持っていて、それまでに度々、改善提案をしてきたとします。しかし、改善提案は受け入れられず、会社には何の変化もなかったとします。このような場合、「もう何を言っても無駄だ」というような諦めの感情が生まれても不思議ではありません。会社に対して諦めてしまった従業員は口を閉ざし、そのまま黙って去っていくというパターンは少なくありません。

■上司との会話を避けているから

退職理由に関するアンケートで、常に上位にランクインするのが「人間関係の悩み」です。社内の人間関係が悪かったり、人間関係でトラブルがあったりすることで退職を考えるようになる従業員は少なくありません。特に、上司との関係性が悪い場合は退職につながりやすくなります。

「上司が嫌い」「上司を尊敬できない」といった感情を抱いている従業員は、上司との会話を避けるものです。そのため、退職の意思があったとしてもそれを伝えることはしませんし、ましてや相談することなどありません。できるだけ口をききたくないと思っているので、ギリギリまで退職の意向を示さず、突然辞めてしまうのです。

▼職場の人間関係に関する記事はこちら
職場の人間関係に悩む人が増加する原因は?改善ポイントを解説

■決意が固まっているから

会社を辞めるかどうかで揺れ動いている従業員は、上司に相談することもありますし、「引き止めてもらいたい」という気持ちを持っている人もいるでしょう。しかし、会社を辞めるという決意が固まっている従業員は、上司に相談する必要はありません。むしろ、「引き止められたら面倒だ」とさえ思っています。そのため、直前になって「退職します」「転職先も決まっています」という既成事実だけを伝えて辞めていくのです。

本当に辞めそうな人を事前に把握する重要性とは

本当に辞めそうな人を事前に把握することは、企業にとって以下のような効果をもたらすため、非常に重要です。

■離職で発生するコストを防止する

従業員が辞めると、採用やトレーニング、新しいプロジェクトの開始など、多くのコストがかかります。さらに、人材不足が発生し、他の従業員がその負担を引き受けることになり、生産性が低下する可能性があります。しかし、辞めそうな人を事前に識別することで、企業は離職によるコストを抑えることができます。例えば、従業員が辞めそうだと分かっていれば、その従業員の後任を探すことができます。そのため、採用やトレーニング、新しいプロジェクトの開始などのコストを抑えることができます。

■早めに対処・対策を立てられる

辞めそうな従業員を事前に把握することで、早めに対処・対策を立てることができます。従業員が辞める直前になって初めて対策を考えると、対応が遅れてしまい、その間に他の従業員も辞める可能性があります。しかし、早めに対処・対策を立てることで、従業員が辞めることを防止することができます。例えば、従業員の不満を聞き出すことで、問題を早めに解決することができます。そうすることで、従業員が辞めることを防止することができます。

■企業の生産性低下を回避する

従業員が辞めると、その仕事を他の従業員が引き継がなければなりません。これにより、生産性が低下する可能性があります。また、従業員が辞めたことによって、残された従業員のモチベーションが低下する可能性もあります。しかし、辞めそうな人を事前に把握することで、企業は生産性低下を回避することができます。例えば、残された従業員に負担をかけないように、業務の見直しを行うことができます。そうすることで、生産性低下を回避することができます。

本当に辞める人の特徴・兆候

会社を本当にやめる人の特徴は次の通りです。

  • 挨拶をしなくなる
  • 生産性が下がる
  • 周囲の評価に無関心になる
  • 報連相が減る
  • 早退や遅刻が増える
  • 付き合いが悪くなる
  • 有給取得が増加する
  • 愚痴や不満が急に増える・減る
  • 会議などでの発言が減る
  • 服装や髪形が違う
  • 自席で過ごす時間が増える
  • やる気のない働き方が目立つ
  • デスク周りがきれいになる

■挨拶をしなくなる

今までは普通に挨拶をしていた従業員が挨拶をしなくなったり、周囲の従業員を避けたりする様子が見られたら、それは会社を辞める兆候かもしれません。挨拶はコミュニケーションの基本ですが、その基本すらおろそかにするようになっているのであれば、何らかの不満や不信感から退職を考えている可能性があります。

■生産性が下がる

会社を辞めることを考えている従業員は、仕事に身が入らなくなります。モチベーションが低下しているのでパフォーマンスが下がり、作業が停滞しがちになります。また、集中力が低下してミスが増えるのも傾向の一つです。以前に比べ生産性が落ちている従業員は、退職を検討している可能性があります。

■周囲の評価に無関心になる

退職を考えている従業員は、組織内での評価や評判に無関心になる傾向にあります。これは、「辞める会社に評価してもらっても意味はない」という心理に起因しています。周囲からどう思われているかを気にしなくなるため、周囲への気配りや気遣いもしないようになってきます。

■報連相が減る

会社を辞めることを考えている従業員は、会社や上司に対する忠誠心も低下しているものです。そのため、報連相も面倒くさいと考えるようになり、報告や連絡が雑になったり、回数が減ったりします。今まできちんとできていた報連相ができなくなった従業員は、会社から心が離れつつあると考えたほうが良いかもしれません。

■早退や遅刻が増える

会社を辞めることを考えている従業員は、早退や遅刻が増えるなど、勤怠が不安定になる傾向があります。これには大きく2つの理由が考えられます。1つは気の緩みです。「辞めるのだから、もうルールを守らなくてもいいか」といった気持ちから早退や遅刻が増えます。もう1つは転職活動です。説明会や面接など、具体的な転職活動をしている場合は早退や遅刻が増加します。

■付き合いが悪くなる

会社を辞める気持ちがある場合、「会社の人たちと仲良くする必要はないか」と考えるようになる従業員もいます。そうなると、みんなでランチに行ったり飲み会に参加したりしなくなります。もちろん、元々付き合いの良くない従業員もいますが、今まで積極的だった人が急に参加しなくなるような場合は、突然の退職をケアしたほうが良いかもしれません。

■有給取得が増加する

有給取得が増えるのは、本当に辞める人の典型的な兆候です。いわゆる「退職前の有給消化」です。有給休暇は従業員の権利なので取得することに問題はありませんが、辞めることを考えている人は会社の事情に配慮せず、自己都合だけで強引に取得日を決めたり、繁忙期に連続して有給を取得したりします。このような人は退職に傾いていると考えたほうが良いでしょう。

■愚痴や不満が急に増える・減る

今まで愚痴や不満を言わなかった従業員が急に言うようになったら、会社に対する満足度が大きく下がっている可能性があります。退職の兆候の一つと考えたほうが良いでしょう。逆に、普段から愚痴や不満が多い従業員が急に何も言わなくなるケースも注意が必要です。愚痴や不満を口にするということは、会社に対して期待感を持っている裏返しとも言えます。それを言わなくなったということは、期待すらしなくなった可能性があります。

■会議などでの発言が減る

辞めそうな人は、以前ほど会議やグループディスカッションで積極的に発言しなくなることがあります。これは、会社に対する不満やストレスがたまっているため、または新しい職場を探しているため、他の会社での仕事について考えているためです。発言しなくなることにより、周囲の人たちとのコミュニケーションが減り、社内での存在感が薄れてしまいます。

■服装や髪型が違う

辞めそうな人は、以前と比べて服装や髪型が変わることがあります。これは、新しい職場に合わせてイメージチェンジをするための場合もあれば、会社に対する意欲や関心が低下しているため、身だしなみに気を使わなくなっている場合もあります。また、辞めることを決意した場合、新しい職場に合わせて準備をしている可能性があります。

■自席で過ごす時間が増える

辞めそうな人は、以前よりも自席で過ごす時間が増えることがあります。これは、会社に対する不満やストレスがたまっているため、人と接することを避けている場合もあれば、新しい職場を探しているため、転職活動に時間を使っている場合もあります。自分の席にこもって仕事をしていると、周囲とのコミュニケーションも減り、組織の活動に意欲的ではなくなります。

■やる気のない働き方が目立つ

辞めそうな人は、以前よりもやる気のない働き方をすることがあります。これは、会社に対する不満やストレスがたまっているため、仕事に対する意欲が低下している場合もあれば、新しい職場を探しているため、今の仕事に対する関心が薄れている場合もあります。やる気がなくなることによって、仕事の成果や生産性が低下する可能性があります。

■デスク周りが綺麗になる

辞めそうな人は、デスク周りが以前よりも綺麗になることがあります。これは、転職活動に集中するために自分の荷物を整理している場合もあれば、会社に対する関心が薄れたため、オフィスでの時間を減らし、自分の作業に集中するためデスク周りを整理している場合もあります。デスク周りが綺麗になることで、辞める気持ちが強くなってしまっている可能性があります。

本当に辞める人が退職を決める理由

退職理由については様々な理由がありますが、それらは「4P」というフレームワークで整理することができます。人が組織に魅力を感じる要因は大きく以下の4つに分類することができます。

Philosophy(理念・戦略):企業が掲げる理念などに魅力を感じて働きがいを見出す

Profession(事業・仕事):企業が行っている事業内容・仕事に働きがいを見出す

People(人材・風土):企業の人材もしくは組織全体の風土に働きがいを見出す

Privilege(制度・待遇):企業に所属することで得られる特別な権益(給与など福利厚生など)に働きがいを見出す


上記フレームワークに合わせて「衛生要因」と「動機づけ要因」の考え方を理解しておくことも有効です。「衛生要因」とは不足することで不満足を引き起こす要因であり、「動機づけ要因」とは満たされると満足感を覚える要因のことです。

4Pのフレームワークでも「衛生要因」に近い項目と「動機づけ要因」に近いものに分けることができます。退職理由としてランキングの上位に挙げられるものは「衛生要因」に該当するものが比較的多く、いかに不満足を起こさないかが離職防止の鍵となるでしょう。


上記のフレームワークを念頭に、具体的な退職を決める理由の例を見ていきましょう。

■給料が低い(Privilege)

給料が低いことは、会社を退職する原因になります。そもそも、給料の金額は入社時に合意しているはずなので、給料が低いことと言うより、給料が思ったように上がらないことに対する不満が大きいでしょう。若いうちは満足していても、年齢を重ねたときや、結婚・出産などのライフイベントがあったときなどに「このままの給料で良いのだろうか・・・」と考え、退職・転職を検討する人は多いようです。

■残業が多い(Privilege)

ワークライフバランスを重視する従業員が増えている昨今、残業時間が長いことが退職の原因になるケースも少なくありません。特に、入社時に聞いていた残業時間と実際の残業時間に乖離があり、それに不満を感じている従業員は退職に傾きやすくなります。また、残業時間の多さからメンタル不調に陥り、退職せざるを得なくなるという事例も増えています。

■人間関係が悪い(People)

会社を辞める理由として、常にランキングの上位に入るのが「職場の人間関係」です。特に、業務上密接に関わる上司との関係性が悪化していると、労働意欲が低下して退職に傾きやすくなります。

■やりがいを感じられない(Profession/Philosophy)

本当に辞める人は、様々な理由から仕事にやりがいを感じられなくなり、退職を決めるケースがあります。たとえば、高い成果を残しても評価されなければやりがいを失ってしまうでしょう。また、企業の理念や経営方針が浸透していないと、「自分がなぜこの業務を担っているのか?」「自分の仕事にどんな意味があるのか?」が分からず、やりがいを感じられなくなることもあります。

辞めないと思ってた人が次々と辞めていくと会社はどうなる?

辞めないと思ってた人が次々と辞めていく場合、会社や残された従業員はどのようになってしまうのでしょうか。

まず、仕事量は減らない一方、労働力が減るので、従業員一人あたりの業務量が増えることが考えられます。業務量が増えて給与が増える場合もありますが、会社によっては単純に業務量だけが増えることもあります。

次に、特に辞めた方がハイパフォーマーだった場合、業績不振に直結します。ナレッジ展開やスキル付与・育成がうまくいっている場合は問題ないですが、適切に引き継ぎが完了してない場合、利益に直接的な影響がでる可能性があります。

極めつけは、上記業務量の増加、業績不振を経て、次なる優秀者の採用ができないという負のループに陥る可能性が挙げられます。既存社員の負荷があるにもかかわらず、新しい人が入らないという構造は、ますます内部を疲弊させ、新たな退職者を生み出すきっかけにもなり得ます。

辞めないと思ってた人が辞めるのを避けるために

​​​​​​■上司がメンバーのコンディションを正確に把握し支援すること

従業員がある日突然辞めてしまうのを避けるため、上司がメンバーのコンディションを正しく把握しておくことが非常に重要です。リンクアンドモチベーションはマネジメントに求められる役割を下記4つの領域に整理していますが、突然の離職を防ぐという文脈では「メンバーマネジメント」が特に重要です。

<マネジメントの4象限>

ビジョンマネジメント:自部署のビジョンの策定と浸透

戦略マネジメント:外部環境の把握(3C分析)とビジネスプロセスの最適化

PDCAマネジメント:業務計画の策定と現場の問題解決

メンバーマネジメント:メンバーの意欲向上と能力向上

メンバーマネジメントはさらに「意欲向上」と「能力向上」に分解することができます。


意欲向上については、モチベーションの公式を理解することが重要です。モチベーションは下記の公式で表すことができます。

目標の魅力(WILL)×達成可能性(CAN)×危機感(MUST)

そのためメンバーの「やりたい」「やれそう」「やらなきゃ」という気持ちを高めてあげることが重要となります。3つの要素を同時に引き上げることは難しいため、メンバーの状況を観察し、アプローチを使い分けることが重要です。

続いて能力向上ですが、こちらは意欲向上における「達成可能性(CAN)」を高めるアプローチです。メンバーの能力を、上述の4象限をもとに整理・把握し、状況に合わせた支援を行うことが重要です。

メンバーの現状を正しく理解しない画一的なマネジメントではメンバーの能力も意欲も高まりません。「任せる」「励ます」「教える」「正す」をメンバーの状況に合わせて適切に使いこなすことが重要です。

このように上司が日常の面談等を通じてメンバーの状況を正しく理解すること、必要に応じて適切に支援を行うことが重要です。

■サーベイを実施する

従業員の突然の退職を防ぐには、退職の兆候を見逃さないようにするのが大切だと申し上げましたが、特に多くの部下を抱える管理職などは、一人ひとりの様子をしっかり把握するのは難しいかもしれません。そこで、活用したいのがサーベイツールです。

従業員サーベイを導入することで、従業員の会社に対する満足度や愛着を可視化することができます。従業員の不満や不安も可視化できるので、退職を防ぐ手立てを講じるのに役立ちますし、従業員からしても、直接言いにくいことをサーベイで吐き出すことができるのはメリットです。

また、従業員サーベイには記名方式と無記名方式がありますが、従業員の本音を引き出すには無記名方式をおすすめします。記名方式では特定が可能であるため、本音で回答されないケースも多く見られます。

退職の引き金になる要因など、今まで見えていなかった組織課題が明らかになることも多いので、効果的に組織改善を進めるためには必須のツールと言えるでしょう。

■休職の提案など適切なフォローをする

従業員がストレスを抱えていたり、メンタルヘルスの問題を抱えている場合、その後の仕事への影響が大きくなったり、突然の退職が発生したりといったことが起こる可能性があります。そのため、企業はこの問題に真剣に取り組む必要があります。

この場合、従業員に対して、適切なフォローアップを行うことで、従業員に合った働き方を支援することができます。例えば、休職の提案やカウンセリングの提供、ストレスマネジメントのトレーニングの提供などが考えられます。さらに、従業員がストレスを抱えている場合には、早めに対処することが大切です。ストレスを軽減するためには、適切な休息や運動、健康的な食事なども必要です。

また、従業員がメンタルヘルスの問題を抱えている場合には、医師や専門家の診断や治療を受けることができるように支援することが必要です。企業は従業員の健康管理に積極的に取り組み、働く環境を改善することで、従業員の生産性やモチベーションを高めることができます。

■評価制度・プロセスを見直す

従業員にとって適切な評価を受けることは、モチベーションを高め、仕事に対する意欲を促進するために重要です。企業は、定期的なフィードバックや目標設定を通じて従業員の成果を適切に評価することができます。また、従業員が自分の仕事に誇りを持って取り組めるような環境を整備することも大切です。特に、従業員が自分の役割や貢献度を理解し、自信を持って仕事に取り組むことができるようになれば、突然辞めるということは少なくなります。

さらに、評価制度を透明かつ公正に実施することで、従業員の信頼感を高め、長期的な雇用を促進することができます。そのため、企業は評価制度・プロセスを見直し、従業員が適切な評価を受けられるようにすることが必要です。例えば、定期的な評価面談や目標設定を行うことで、従業員にフィードバックを提供し、成長機会を提供することができます。

また、従業員の個人的なニーズに合わせたキャリア開発プログラムを提供することも有効です。従業員が自分のスキルを向上させ、成果を出すことができれば、企業の成功に貢献することができます。

参考:組織改善に有効な考え方

リンクアンドモチベーションでは、組織を「要素還元できない“協働システム”である」と定義しています。要素還元論ではなく関係論を前提にすると、「5⼈のチームではなく、10本の関係性のある集団」という視点が得られます(下図参照)。

組織に向き合う際に「問題は“⼈”ではなく“間”に存在する」という前提に立つと、サーベイにおいても記名式で個を特定し、要素還元的に個の改善を試みても根本の解決には至らず有効な手立てとは言えません。そのため無記名式で本音を引き出すメリットを取ることをおすすめします。

まとめ

本当に辞める人は、ある日突然その意向を伝えてきます。そうなってから引き止めを図っても、すでに手遅れというケースがほとんどです。退職の兆候を見逃さないよう、普段から一人ひとりの従業員に目を配り、不満や不安が垣間見えるようなら、できるだけ早めに対策を講じるようにしましょう。

よくある質問

本当に辞める人はなぜ何も言わないのか?

考えられる主な理由としては、以下の3点が挙げられます。

①:会社に対して諦めているから 本当に辞める従業員が、直前まで辞める意思を表明しない理由として、会社を見限っていることが考えられます。会社に対して諦めてしまった従業員は口を閉ざし、そのまま黙って去っていくというパターンは少なくありません。
②:上司との会話を避けているから 退職理由に関するアンケートで、常に上位にランクインするのが「人間関係の悩み」です。社内の人間関係が悪かったり、人間関係でトラブルがあったりすることで退職を考えるようになる従業員は少なくありません。特に、上司との関係性が悪い場合は退職につながりやすくなります。
③:決意が固まっているから 会社を辞めるかどうかで揺れ動いている従業員は、上司に相談することもありますし、「引き止めてもらいたい」という気持ちを持っている人もいるでしょう。しかし、会社を辞めるという決意が固まっている従業員は、上司に相談する必要はありません。

本当に辞める人の特徴・兆候は?

本当に辞める人の特徴・兆候として以下のようなものがあります。  

■挨拶をしなくなる 今までは普通に挨拶をしていた従業員が挨拶をしなくなったり、周囲の従業員を避けたりする様子が見られたら、それは会社を辞める兆候かもしれません。  
■生産性が下がる 会社を辞めることを考えている従業員は、仕事に身が入らなくなります。モチベーションが低下しているのでパフォーマンスが下がり、作業が停滞しがちになります。  
■周囲の評価に無関心になる 退職を考えている従業員は、組織内での評価や評判に無関心になる傾向にあります。これは、「辞める会社に評価してもらっても意味はない」という心理に起因しています。    
■報連相が減る 会社を辞めることを考えている従業員は、会社や上司に対する忠誠心も低下しているものです。そのため、報連相も面倒くさいと考えるようになり、報告や連絡が雑になったり、回数が減ったりします。  
■早退や遅刻が増える 会社を辞めることを考えている従業員は、早退や遅刻が増えるなど、勤怠が不安定になる傾向があります。  
■付き合いが悪くなる 会社を辞める気持ちがある場合、「会社の人たちと仲良くする必要はないか」と考えるようになる従業員もいます。  
■有給取得が増加する 有給取得が増えるのは、本当に辞める人の典型的な兆候です。いわゆる「退職前の有給消化」です。  
​​​​​​​■愚痴や不満が急に増える・減る 今まで愚痴や不満を言わなかった従業員が急に言うようになったら、会社に対する満足度が大きく下がっている可能性があります。退職の兆候の一つと考えたほうが良いでしょう。

本当に辞める人が退職を決める理由は?

本当に辞める人の退職理由については様々な理由がありますが、それらは「4P」というフレームワークで整理することができます。人が組織に魅力を感じる要因は大きく以下の4つに分類することができます。  

■給料が低い(Privilege)
■残業が多い(Privilege)
■人間関係が悪い(People)
■やりがいを感じられない(Profession/Philosophy)

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立つ情報をお届けします。
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