キャリアとは

キャリアとは?意味について簡単に解説

キャリアとは、単に職業や仕事を指す言葉ではなく、私たちの人生の中での成長、選択、そして経験の連鎖を意味します。多くの人々が、キャリアを通じて自己実現を追求し、生きがいや満足感を得ています。しかし、キャリアを形成する過程は、常に変化し、挑戦に満ちています。

本記事では、キャリアの本質とその形成の過程、そして成功するために必要な観点について、ご紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.キャリアとは?
  2. 2.キャリア開発とは?
  3. 3.キャリア開発を行うメリット
  4. 4.キャリア開発を行うデメリット
  5. 5.キャリア開発の具体的な方法
  6. 6.記事まとめ
  7. 7.キャリアに関するよくある質問

キャリアとは?

キャリアとは、一般的には「職業的な経歴や進路」を指す言葉です。個人の職業生活における経験やスキル、成果などを総合的に表す概念として使われます。また、キャリアを形成・発展させることを「キャリアアップ」とも言います。

「キャリア」の言葉の意味

「キャリア」は、一般的に「経歴」、「経験」、「発展」、また「関連した職務の連鎖」として表現される言葉です。

「キャリア」(career)は、中世ラテン語の「車道」を起源としており、英語では競馬場や競技場のコースやトラックを意味するものでした。それが進化して、人の経歴や遍歴、特定の訓練を要する職業や生涯の仕事、職業上の出世や成功を意味するようになりました。

時間的な持続性や継続性を持つ概念として捉えられます。キャリアは、職業経験を通じて、職業能力を蓄積していく過程の概念とも言えます。

また、「キャリア形成」とは、個人が職業能力を作り上げること、すなわち、関連した職務経験の連鎖を通して職業能力を形成していくことを指します。近年、労働市場や労働者の職業意識の変化に伴い、「キャリア」や「キャリア形成」は個人の職業生活を論じる際のキーワードとして注目されています。国の施策でも、キャリア形成の促進が重要視されており、労働者のキャリア形成促進が挙げられています。

(参考:厚生労働省「「キャリア形成を支援する労働市場政策研究会」報告書」)

「キャリア」の転職市場での意味

転職市場における「キャリア」とは、仕事上の経歴や経験を指す言葉であり、過去の職務経験やそれに伴う計画的な能力開発の連鎖を意味します。

特に、仕事や就職、出世のイメージで使われることが多いです。厚生労働省はキャリアを「時間的持続性や継続性を持った概念」として捉えており、一時的な結果を示すものではなく、働くことの継続的なプロセスや働くことに関連する生き方を指しています。

キャリアの構成要素としては、経歴や職歴に加えて、以下の3つが挙げられます。

技能や知識
業務を遂行するための能力的資源。これらの数や質が高いほど、仕事の質や成果も向上します。

思考特性や行動特性
個人の考え方や行動の傾向。これにより技能や知識をどのように活用するかが決まります。

価値観やマインド
キャリアや仕事に対する動機や価値観。これが方向性を示し、どのような仕事や役割を追求するかの指標となります。

これに即すと、転職市場で評価が高いキャリアは以下のような例が考えられます。

技能や知識
例:IT業界での転職を考える際、プログラミング言語の数や種類、さらにはそれらを用いた実務経験が評価されます。例えば、PythonやJavaを使ったシステム開発の経験が10年以上あり、さらにクラウド技術やAI技術に関する知識や資格を持っている人は、その技能や知識が豊富であると評価されます。

思考特性や行動特性
例:製造業でのプロジェクトマネージャーとしての経験がある人が、新しいプロジェクトを迅速に立ち上げ、チームを統率して期限内に成果を上げる能力を持っている場合は評価が高いでしょう。このような人は、問題解決能力やリーダーシップ、そして柔軟な思考を持っていると評価されることが多いです。

価値観やマインド
例:医療業界での研究者が、新しい治療法の開発に情熱を持ち、そのための研究を続けている場合も評価が高いでしょう。この人は、患者の命を救うことに対する強い使命感や価値観を持っていると評価されます。

現代の転職市場では、終身雇用の崩壊や働き方の多様化など、多くの変化が起こっています。そのため、個人が自らのキャリアを積極的に考え、形成していくことが求められています。

キャリアの考え方や構成要素を理解し、それを基に自らのキャリアをデザインすることは、今後の働き方やキャリア形成において非常に重要なスキルとなります。

「キャリア」に関連する言葉の意味

「キャリア」に関連する言葉には、様々なものがあります。キャリアについて理解を深めるためには、これらの意味や違いを把握しておくことが大切です。以下には、代表的な「キャリア」に関連する言葉の意味についてご紹介します。

キャリアビジョン
キャリアビジョンとは、個人が将来的に目指す職業的なビジョンや理想の姿を指します。これは自分の価値観や目標、夢などに基づいて設定されるもので、自分がどのような職業人として成長していきたいかの指針となります。

キャリアパス
キャリアパスは、職業生活における進路や経歴の流れを示すものです。具体的には、入社から退職までの間に経る職位や役職、職種の変遷や移動のルートを指します。企業や組織によっては、キャリアパスを明確に示すことで、従業員のキャリア形成をサポートする場合もあります。

キャリアプラン
キャリアプランは、キャリアビジョンを実現するための具体的な計画やアクションプランを指します。これには、必要なスキルや資格、経験を積むためのステップやタイムラインが含まれることが多いです。

キャリアデザイン
キャリアデザインは、自分のキャリアを意識的に設計・構築するプロセスや考え方を指します。これは、自分の価値観や強み、興味、環境などを踏まえて、自分らしいキャリアを形成していくためのアプローチを意味します。キャリアデザインを行うことで、自分のキャリアに対する主体性や満足感を高めることができます。

キャリアを考える意義

では、キャリアを考えることにはどのような意義があるのでしょうか。

まず、キャリアを意識的に考えることは、自己理解の深化に繋がります。人は自らの強みや弱み、価値観、興味・関心を持っていますが、これらを明確にすることで、自分に合った仕事や役割を見つけやすくなります。

また、キャリアを計画的に考えることで、将来の不確実性を減少させることができます。現代の労働環境は変動が激しく、終身雇用の概念が薄れつつあります。このような中で、自分のキャリアを自らデザインし、柔軟に対応する能力は非常に価値があります。

そして、キャリアを考えることは、職業的な満足感や生きがいを得るためにも重要です。自分の役割や貢献を理解し、それを基に仕事を選択・進めることで、より充実した職業生活を送ることができます。

総じて、キャリアを考えることは、自己成長、将来の安定、職業的な満足感、そして人生の質の向上といった多岐にわたる意義を持っています。

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キャリア開発とは?

キャリア開発は、個人が自らの職業生活を通じて継続的に成長し、進化していくプロセスを指します。これには、自己認識の深化、スキルや知識の習得、経験の積み重ね、そしてそれらを統合して次のステップへと進むための戦略的な計画が含まれます。

キャリア開発は、単なる職位や役職の昇進で、組織の中での地位を高めることだけを意味するものではありません。それよりも、個人が自分の価値観や目標に合わせて、自分自身の人生やキャリアをデザインし、それを実現するための活動全体を指します。

キャリア開発が注目されている背景とは?

キャリア開発が注目されている背景には、以下のようなことが考えられます。

労働環境の変化
終身雇用の崩壊や雇用の流動化が進む中、個人が自らのキャリアを管理・開発する能力が求められるようになってきました。企業の保証が受けられない現代において、自分のキャリアを自らの手で築くことが不可欠となっています。

技術の進化と職種の変動
AIやロボット技術の進化により、新しい職種が生まれ、古い職種が消滅する動きが加速しています。このような変動の中で生き残るためには、継続的な学びとキャリアの再設計が必要となっています。

生涯学習の重要性
現代の高度情報化社会において、一度学んだ知識やスキルだけで一生を通じて働くことは難しくなってきました。キャリアを通じて継続的に学び、自己を更新していくことが求められています。

キャリア開発を行うメリット

キャリア開発を行うことで、どのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、キャリア開発を行うことで得られるメリットについて、代表的なものをご紹介します。

自己実現と職業的満足感の向上

キャリア開発を行うことで、自分の価値観や目標に合わせた職業生活を築くことができます。これにより、自分の能力やスキルを最大限に活かし、自己実現を果たすことが可能となります。

また、自分のキャリアを自らの手でデザインし、それを実現する過程は、職業的な満足感や生きがいをもたらします。このような自己主導的なキャリア形成は、モチベーションの維持や仕事の質の向上にも寄与します。

市場価値の向上

キャリア開発を通じて、新しいスキルや知識を習得し、経験を積むことで、個人の市場価値を高めることができます。

これにより、雇用の機会が増えるだけでなく、より良い条件での雇用やプロジェクトへの参加が可能となります。市場価値の向上は、経済的な安定やキャリアの持続性にも寄与します。

変化への適応能力の強化

キャリア開発は、自己認識の深化や新しい経験の追求を伴います。これにより、変化する環境や状況に柔軟に対応する能力が養われます。

特に、技術の進化や経済の変動など、外部環境の変化が激しい現代において、従業員に対してもその変化への適応能力が求められてきます。その中で、キャリア開発を行って先々を見据えている人は適応能力を発揮することができ、選ばれる人材になるでしょう。

キャリア開発を行うデメリット

キャリア開発を行うことは、メリットだけではなくデメリットもあります。ここでは、キャリア開発を行うことで得られるデメリットについて、代表的なものをご紹介します。

時間と労力の投資が必要

キャリア開発は、新しいスキルや知識の習得、ネットワーキング、自己分析など、多岐にわたる活動を伴います。これらの活動は、短期的な業務やプライベートの時間を圧迫する可能性が高いです。

特に、新しい資格やスキルを習得するための勉強や研修は、長期間にわたる継続的な努力を要求します。また、キャリア開発のための活動と日常業務とのバランスを取ることは容易ではなく、適切な時間管理や優先順位の設定が求められます。

過度な自己中心性や焦りのリスク

キャリア開発を過度に追求することで、自己中心的な行動や考え方が強化されるリスクがあります。自分のキャリア進展を他者と比較し、焦りや不安を感じることも増えるでしょう。

このような焦りは、過度な競争心を生む原因となり、職場の人間関係の悪化や心の健康への悪影響を及ぼす可能性が高まります。

過度なキャリア志向が生活のバランスを乱す

キャリア開発に集中するあまり、家族や友人との関係、趣味やリラクゼーションの時間など、生活の他の側面が疎かになる可能性があります。

生活のバランスが乱れると、ストレスや疲労が蓄積し、長期的には身体や精神の健康に悪影響を及ぼすリスクが高まります。キャリアの成功を追求するあまり、大切な人との関係や自分自身の健康を犠牲にすることは避けるべきです。

キャリア開発の具体的な方法

キャリアとは

キャリア開発を行うためには、様々な方法があります。多様な方法がある中では、それぞれがどのような目的や効果を有しているのかを把握しておくことが大切です。その上で、自社に適するキャリア開発の方法を選びましょう。

キャリア研修

キャリア研修は、従業員のキャリア形成をサポートするための教育プログラムです。特に、管理職を目指す者や新たに管理職としての役割を担う者に対しては、「管理職研修」としての特別なカリキュラムが提供されることが多いです。

目的
キャリア研修の主な目的は、従業員の人生・仕事の中での成長を促進し、組織の中での役割やキャリアパスを明確にすることです。

具体的な内容
キャリア研修では、自己分析やキャリアプランニングの方法を学ぶセッションが含まれます。場合に応じて、ケースワークやロールプレイングなどのワークショップ形式での実施がされます。

効果
キャリア研修を受講することで、従業員は自らのキャリアビジョンを明確にし、具体的なアクションプランを策定する能力が向上します。

▼管理職の効果的な育成についてはこちらストレッチクラウド サービス内容

キャリア面談

キャリア面談は、従業員のキャリア形成、キャリア開発をするために設けられる面談です。

目的
キャリア面談の主要な目的は、従業員のキャリアビジョンや目標を明確にし、組織としてどのようにサポートできるかを議論することです。また、従業員の成長やキャリアの方向性を共有し、相互の理解を深めることも重要な目的となります。

具体的な内容
面談では、従業員のこれまでの業績、強みや弱み、将来のキャリアプランや希望する役割などについて話し合います。さらに、360度評価などの結果を活用することで、他の同僚や上司からのフィードバックをもとに、より具体的なキャリアの方向性や成長の機会を議論することができます。

効果
キャリア面談を実施することで、従業員のモチベーションや組織への所属意識が向上します。サーベイツールなどを活用することで、多角的な視点からのフィードバックを受けることができ、自己認識の精度を高めるとともに、具体的な成長のアクションプランを策定する助けとなります。

▼360度評価についてはこちら:ストレッチクラウド 360度評価

人事異動

人事異動は組織内で従業員の配置を変更することを指しますが、キャリア開発の一環としても実施されています。キャリア開発を目的とした人事異動は、以下のような目的や内容で行われています。

目的
スキル・経験の多様化:異なる部門や職種での経験を積むことで、従業員のスキルセットや視野を広げることを目指します。
組織のニーズへの対応:組織の成長や変化に伴い、新しい役割や責任を担う人材が必要となる場合があります。
モチベーションの維持:新しい環境や役割に挑戦することで、従業員のモチベーションを高めます。

具体的な内容
部門間異動:例えば、営業部門から企画部門への異動など、異なる部門間での配置変更などを指します。
役職の昇進・降格:経験や実績に基づき、上位の役職への昇進や、能力に応じた役職への調整。
プロジェクト異動:特定のプロジェクトやタスクフォースに参加するための一時的な異動。
海外異動:グローバルな視点を持つための海外拠点への異動。

効果
個人の成長:異なる環境や役割での経験を通じて、従業員は新しいスキルや知識を習得し、自己の成長を実感することができます。
組織の柔軟性:人事異動を通じて、組織内の人材が多様な経験を持つことで、組織全体の柔軟性や適応能力が向上します。
リーダーシップの育成:異なる部門や役職での経験を積むことで、将来のリーダーとしての資質や能力を育成することができます。
従業員の満足度向上:新しい挑戦や成長の機会を通じて、従業員の職務満足度や組織への所属意識が向上します。

ジョブローテーションについて詳しい解説はこちら:ジョブローテーションの目的とは?企業のメリットとデメリット・ポイントを解説

副業の推奨

近年、多くの企業が従業員の副業を許可する方針を採用しています。これは、多様な働き方へのニーズに対応するとともに、従業員のキャリア開発やスキルアップを促進するための一環として行われています。

目的
スキルの多様化:従業員が異なる環境や業界での経験を積むことで、多様なスキルや知識を習得することを目指します。
自己実現:副業を通じて、従業員が自身の興味や情熱を追求し、自己実現を果たす機会を提供します。

具体的な内容
スキルベースの副業:例えば、プログラミングやデザインなど、特定のスキルを活かしたフリーランスの仕事などがあります。
起業・事業開始:自らのビジネスアイディアを実現するための小規模な起業やサイドビジネスの運営が当てはまります。

効果
キャリアの幅の拡大:副業を通じて、従業員は新しい経験や視点を得ることができ、キャリアの選択肢が広がります。
モチベーションの向上:自ら選んだ副業を通じての成功体験や成果は、従業員のモチベーションや自信を向上させます。
組織への還元:従業員が副業で習得したスキルや知識は、本業にも還元され、組織全体の競争力の向上に寄与します。

記事まとめ

キャリアは、私たちの人生の中での旅のようなものです。その旅の中で、私たちは多くの選択を迫られ、様々な経験を積み重ねてきます。成功もあれば、失敗もありますが、それら全てが私たちのキャリアを形成する要素となります。

重要なのは、常に学び続け、自分自身で挑戦し続けることです。そして、自分の価値観や目標に基づいて、意識的な選択をすることがキャリアの成功への鍵となります。

キャリアに関するよくある質問

Q.キャリアとは具体的に何ですか?

キャリアとは、個人が経験する職業的な道のりや進化を指します。具体的には、その人がこれまでに経験した仕事の内容、役職、業界、取得したスキルや知識などの職業的な経歴全体を指します。

キャリアは単なる職歴の積み重ねではなく、その人の価値観や選択、成長の過程をも含む、時間を通じて形成されるものです。キャリアは、個人の能力や適性、選択によって形成され、それぞれの人に独自のものとなります。

Q.仕事とキャリアの違いは何ですか?

仕事とキャリアは、しばしば混同されますが、異なる概念です。仕事は、特定のタスクや役割を果たすための活動や職務を指します。一方、キャリアは、個人の職業的な経歴や成長の過程全体を指すものです。

仕事は短期的な視点での職務の遂行を中心に考えられるのに対し、キャリアは長期的な視点での職業的な道のりや成長を意味します。簡単に言えば、仕事は「今」の職務やタスクに焦点を当てたものであり、キャリアは「これまで」と「これから」の職業的な経験や展望を総合的に捉えたものです。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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