RPAとは何か簡単に解説!注目の背景や導入事例を紹介
近年、ビジネスの現場でのデジタルトランスフォーメーションが急速に進行していますが、その中に位置するのがRPA(Robotic Process Automation)の技術です。RPAは、繰り返しのルーチンタスクを自動化することで、企業の生産性を飛躍的に向上させる可能性を秘めています。
本記事では、RPAの基本的な概念から、具体的な活用事例、そして成功のためのポイントまでを詳しく解説します。
目次[非表示]
- 1.RPAとは何か
- 2.RPAが注目されている背景
- 3.RPAが得意な作業
- 4.RPAが苦手な作業
- 5.RPAの導入効果・メリット
- 6.RPAと他のツールとの違い
- 7.RPAの自動化レベルについて
- 8.RPAの活用事例
- 9.人材育成のことならストレッチクラウド
- 10.まとめ
RPAとは何か
RPA(Robotic Process Automation)とは、ビジネスプロセスの自動化技術の一つで、繰り返しのルーチンタスクや手続きを自動化するためのソフトウェアロボットを使用するものを指します。RPAの主な目的は、手作業や人間の介入を必要とする単純作業を自動化し、効率を向上させることです。
RPAの特徴は、従来のシステムとの連携が容易であること。つまり、既存のITシステムを大きく変更することなく、表面上の操作(マウスクリックやキーボード入力など)を模倣することで、タスクを自動化することができます。これにより、導入の敷居が低く、短期間でのROI(投資回収期間)の実現が期待できます。
RPAが注目されている背景
なぜ近年RPAが注目されているのでしょうか。ここでは、RPAが注目されている背景について、代表的なものをご紹介します。
深刻な人手不足
まず、深刻な人手不足について。近年、多くの国や地域で高齢化が進行しており、労働力の供給が減少しています。特に日本をはじめとする先進国では、この問題は顕著で、企業は人材確保の難しさを感じています。
RPAは、こうしたタスクを自動化することで、人手不足の影響を緩和し、人材をより付加価値の高い業務に集中させることができるため、多くの企業から注目されています。
働き方改革の推進
近年、労働者の健康やワークライフバランスの重要性が高まってきており、長時間労働の是正や柔軟な働き方の導入が求められています。RPAの導入は、業務の効率化や自動化を通じて、労働時間の削減や業務の柔軟化を実現する手段として期待されています。
時間に縛られることなく24時間稼働するRPAは、夜間や休日にも業務を進めることができ、労働者の負担軽減や生産性向上に寄与します。
RPAが得意な作業
RPAには、得意とする作業があります。基本的には単純作業やルーティン作業が向いています。ここでは、RPAが得意な作業をご紹介します。
データの登録や転記
RPAは、繰り返し行われるデータの入力や転記作業に非常に適しています。例えば、エクセルシートから別のシステムへのデータ移行や、請求書の情報を会計ソフトに入力するような作業を、ミスなく迅速に自動化できます。
社内外のシステムの操作や連携
RPAは、異なるシステム間でのデータの移動や連携を自動化するのに適しています。例えば、CRMシステムと販売管理システムの間でのデータ同期や、外部のサプライヤーシステムとの情報交換などが効率的に行えます。
Webサイトからの情報収集作業
定期的にウェブサイトから最新の情報を収集するようなタスクは、RPAによって自動化される典型的な例です。例えば、競合他社の価格情報の収集や、ニュースサイトからの最新記事の取得などが、定期的かつ迅速に実行できます。
社内アプリの操作
社内で使用される特定のアプリケーションの操作も、RPAによって自動化することが可能です。例えば、毎月の報告書の生成や、特定の条件に基づくデータのフィルタリングなどのタスクを、ミスなく効率的に実行できます。
同一性のチェック
RPAは、大量のデータの中から重複や不整合を検出する作業にも適しています。例えば、顧客データベース内での重複アカウントの検出や、取引データの整合性チェックなど、繰り返し行われる確認作業を自動化し、高い精度で実行することができます。
RPAが苦手な作業
複雑な判断を伴う作業
RPAは基本的にプログラムされたルールに基づいて動作します。そのため、人間の直感や経験に基づく複雑な判断を必要とする作業は自動化が難しいです。
頻繁に変更される業務
RPAの設定やメンテナンスは、業務プロセスが安定している場合に最も効果的です。業務内容や手順が頻繁に変わる場合、RPAのスクリプトを都度更新する必要があり、そのメンテナンスコストが高くなる可能性があります。
非構造化データの処理
RPAは構造化されたデータ(例: テーブルやフォーム)の処理には強いですが、非構造化データ(例: 自由形式のテキストや画像)の解析や処理は得意ではありません。このようなタスクは、機械学習やAI技術を組み合わせることで対応することが多いです。
RPAの導入効果・メリット
効率化と生産性の向上
RPAは、繰り返し行われるルーチンタスクを自動化することで、業務のスピードを大幅に向上させることができます。これにより、人間の手が不要となる作業が減少し、従業員はより付加価値の高い業務に注力することができるようになります。
ミスの削減
人間が行う作業には、どうしてもミスが発生する可能性がありますが、RPAは一度設定されたルールに基づいて正確に作業を実行します。これにより、入力ミスや計算ミスなどの人為的なエラーを大幅に削減することができます。
コスト削減
RPAの導入により、人手を必要とする作業時間が減少するため、人件費や関連するオペレーショナルコストを削減することが可能です。また、24時間稼働するRPAは、夜間や休日にも業務を進めることができるため、業務の効率化にも寄与します。
柔軟性とスケーラビリティ
RPAは、業務の変更や拡大にも柔軟に対応することができます。新しい業務ルールやプロセスが追加された場合でも、RPAのスクリプトを更新することで迅速に対応することが可能です。また、業務量が増加した場合には、追加のRPAボットを導入することでスケールアップすることができます。
RPAと他のツールとの違い
RPAは業務の自動化ツールの1つですが、他にも業務自動化のツールは多くあります。ここでは、自動化ツールとして代表的なものとRPAの違いについて、いくつかご紹介します。
マクロとの違い
マクロ:マクロは特定のアプリケーション(例: Microsoft Excel)内で動作する自動化スクリプトです。ユーザーが繰り返し行う作業を記録・再生することで、その作業を自動化することができます。
RPA:RPAはマクロよりも広範なタスクを自動化することができます。複数のアプリケーションやシステム間での操作を模倣し、より複雑な業務プロセスを自動化することが可能です。
つまり、マクロは特定のアプリケーション内の単純なタスクに適しているのに対し、RPAはシステム全体の業務プロセスを跨いでの自動化に適しています。
ITシステムとの違い
ITシステム:ITシステム(例: ERPやCRM)は、特定のビジネスニーズを満たすために設計・構築された大規模なソフトウェアシステムです。これらのシステムは、ビジネスの核心的な機能やデータを管理・処理するためのものです。
RPA:RPAは既存のITシステムの上に「乗せる」形で導入され、これらのシステムのユーザーインターフェースを通じて操作を模倣することで、業務プロセスを自動化します。
つまり、ITシステムはビジネスの基盤となる機能を提供するのに対し、RPAはその上で動作し、手作業を自動化する役割を果たします。
AIとの違い
AI (Artificial Intelligence):AIは、機械学習や深層学習などの技術を用いて、人間のような知的なタスク(例: 画像認識、自然言語処理)を実行することができる技術の総称です。
RPA:RPAは、特定のルールに基づいて業務プロセスを自動化する技術です。基本的には、人間の操作を模倣する形で動作します。
つまり、AIは「思考や判断」を模倣する技術であり、RPAは「操作や作業」を模倣する技術です。ただし、近年ではRPAとAIを組み合わせたソリューションも増えており、RPAがAIの能力を利用して、より高度なタスクを自動化することも可能となっています。
RPAの自動化レベルについて
RPAの自動化レベルは、その能力や応用範囲に応じていくつかの段階に分けられます。以下に、RPA、EPA、CAという3つの主要な自動化レベルについてご紹介します。
RPA (Robotic Process Automation)
概要:RPAは、基本的な自動化技術であり、繰り返し行われるルーチンタスクや手続きを自動化するためのソフトウェアロボットを使用します。具体的には、マウスクリックやキーボード入力などのユーザーインターフェースを通じた操作を模倣することで、業務プロセスを自動化します。
適用範囲:構造化されたデータの取り扱い、定型的な業務プロセス、明確なルールベースのタスクなど。
EPA (Enhanced Process Automation)
概要:EPAは、RPAの基本的な能力を拡張し、より複雑なタスクや業務プロセスを自動化するための技術です。APIの統合や、簡単な判断ロジックの組み込みなど、RPAよりも高度な機能を持っています。
適用範囲:複数のシステム間のデータの連携、簡単なビジネスルールに基づく判断、基本的なデータ変換や処理など。
CA (Cognitive Automation)
概要:CAは、機械学習やAI技術を組み込んだ自動化技術であり、非構造化データの解析や複雑な判断を伴うタスクを自動化することができます。自然言語処理や画像認識などのAI技術を利用して、人間のような知的なタスクを実行することが可能です。
適用範囲:テキストや画像の解析、顧客の感情分析、高度なデータ分析や予測、複雑な判断を伴う業務プロセスなど。
RPAの活用事例
履歴書や応募書類のデータ入力
採用活動が盛んな時期や大量の応募がある際、履歴書や応募書類からの情報をデータベースや人事管理システムに入力する作業は非常に時間がかかります。RPAを活用することで、これらの情報を自動的に読み取り、システムに正確に入力することができ、人事担当者の作業負担を大幅に軽減することが可能となります。
給与計算や給与明細の生成
給与計算は複雑なルールや条件に基づいて行われるため、ミスが生じやすい作業の一つです。RPAを導入することで、各従業員の勤務時間、残業時間、手当などの情報を基に、自動的に給与を計算し、給与明細を生成することができます。これにより、計算ミスを防ぎ、給与計算の効率と正確性を向上させることができます。
従業員の情報更新
従業員の住所変更、家族構成の変更、昇進や異動など、人事情報の更新は頻繁に行われる作業です。RPAを利用することで、これらの情報の更新を自動化し、人事データベースや関連するシステムへの反映を迅速かつ正確に行うことができます。
人材育成のことならストレッチクラウド
ここまで、RPAについて説明してきました。
ストレッチクラウドでは、管理職として活躍する人材を育てるために、まず、研修を通して事前に役割理解や役割遂行のための観点付与を行います。
その後、360度評価によって周囲からの期待と満足を可視化し、役割遂行に向けた自己課題は何か課題を解決するためのアクションプランは何かを明らかにするというワークショップを継続的に実施します。結果として、結節点人材になるための自立的な成長サイクルを実現しています。
また、管理職になる前のリーダークラスへ導入しておくことで、今後、管理職に登用されていくリーダークラスを、登用直後から管理職として活躍出来る人材としていくために、先んじて、自立的な成長支援サイクルをまわし始めておくということも可能です。
ストレッチクラウドの詳細は、以下のサイト・記事で詳しく解説しています。
▶ストレッチクラウドの詳細はこちら
https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/
まとめ
RPAは、現代のビジネスにおいて、業務効率化の鍵となる技術として注目されています。その導入により、企業は手間と時間を大幅に削減し、従業員の働き方を革新することが可能となります。
しかし、成功のためには、適切な業務プロセスの選定や、継続的なメンテナンス、そして変化への柔軟な対応が不可欠です。RPAの技術を最大限に活用し、持続可能なビジネスの成長を実現するためには、その特性を理解し、戦略的な導入と運用が求められます。