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オペレーションとはどういう意味?ビジネスでの使い方や改善手順を簡単解説

ビジネスでも日常生活でも、「オペレーション」という言葉をよく耳にすると思います。

オペレーションは様々な意味を持つ言葉ですが、ビジネスシーンにおいては主に、「業務フローを進行させるための活動」「既定の手順・マニュアルに則った作業」といった意味で使われることが多いようです。

オペレーションという言葉を正しく理解・使用できるよう、今回はオペレーションの意味や業界別の使い方、企業がオペレーションを改善する際のポイントなどについて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.オペレーションとは?
  2. 2.オペレーションを改善する重要性
  3. 3.オペレーションを改善する3つのポイント
  4. 4.オペレーションマネジメントの実施手順
  5. 5.オペレーションマネジメントの研修はストレッチクラウドへ
  6. 6.まとめ
  7. 7.オペレーションに関するよくある質問
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オペレーションとは?

オペレーション(英語:Operation)は様々な意味を持つ言葉です。「デジタル大辞泉(小学館)」には、以下のように記載されています。

1 機械などの操作。運転。

2 中央銀行(日本では日本銀行)が手持ちの有価証券を売買して金融を調節する市場操作。オペ。

3 作戦。軍事作戦行動。

4 外科手術。オペ。

※参考:オペレーションの意味や使い方 Weblio辞書

オペレーションとは、様々な意味を持つ言葉であり、ビジネスシーンにおいてオペレーションという言葉が使われる場合は、「業務フローを進行させるための活動」や、「既定の手順・マニュアルに則った作業」といった意味合いになるのが一般的です。

オペレーションが悪いと業務プロセスが滞りやすくなり、生産性が低下するおそれがあります。また、オペレーションが適切に管理されていない場合、製品・サービスの品質にバラツキが生まれ、信頼が損なわれる可能性があります。ビジネスを円滑に進めるためには、企業は常にオペレーションの向上に努めなければいけません。

オペレーションの使用例

オペレーションという言葉の使用例をいくつかご紹介します。

  • 規定どおりにオペレーションが実行されているかどうかを確認する。
  • オペレーション管理システムを見直す必要がある。
  • オペレーションに不備があるから、業務に悪影響が出るだろう。
  • 彼は、あらかじめ決められていたオペレーションを遂行した。
  • オペレーションを見直すことで生産性の向上が期待できる。

オペレーションの類義語は?

オペレーションと似たニュアンスで使われる言葉がいくつかあります。正しく使い分けられるよう、意味を押さえておきましょう。

「ディレクション」とオペレーションの違い

オペレーションは「業務フローやマニュアルに則って作業を進める」という意味があります。一方で、ディレクション(direction)は「監督」「指揮」「指導」「管理」といった意味を持つ言葉です。どちらかと言うと、「ゴールや方向性を定め、それに向かわせる」という意味合いが強くなります。

「コントロール」とオペレーションの違い

コントロール(control)は「調節する」「制御する」といった意味を持つ言葉です。オペレーションと似ていますが、コントロールのほうが使い勝手の良い言葉で、「コントロールの良い投手」「室温をコントロールする」など、日常・ビジネスを問わず、幅広い場面で使われます。

一方、オペレーションは主にビジネスシーンで使われる言葉で、業界で言えば、ITや製造、飲食などの業界で馴染みの深い言葉だと言えます。

「ハンドリング」とオペレーションの違い

ハンドリング(handling)は「調整」「処理」「対応」といった意味を持つ言葉です。ビジネスシーンでハンドリングという言葉が使われる場合は、「プロジェクトや従業員を調整する」という意味合いになります。「間違った方向へ行かないように調整する」というニュアンスがあり、「新入社員を適切にハンドリングする」というように使われます。

オペレーションの意味・使い方【業界別】

オペレーションという言葉は、使われる業界によって意味が変わってきます。正しく理解・使用するため、業界別のオペレーションの意味を押さえておきましょう。

オペレーションの意味・使い方【IT業界】

IT業界において、オペレーションという言葉は広義には、機器やソフトウェア、システムなどの操作全般を指します。狭義には、組織内のIT部門や担当者などが情報システムを使用可能な状態に保つためにおこなう監視やメンテナンス、ユーザーサポートなどの一連の活動を指します。

※参考:オペレーション(operation)とは - IT用語辞典 e-Words

オペレーションの意味・使い方【飲食業界】

飲食業界においてオペレーションという言葉は、店舗が目標を達成するための仕組み・手順のことを指します。店舗運営の手順や店舗における指示命令系統、サービスの提供方法などは、いずれもオペレーションに該当します。

飲食店におけるオペレーションは、大きく「店舗オペレーション」と括ることもできますが、厨房内における「キッチンオペレーション」、接客を軸とする「フロアオペレーション」、在庫管理や事務全般を司る「バックヤードオペレーション」などに分けることもできます。

オペレーションの意味・使い方【イベント業界】

イベント業界では、イベント・催事の段取りをひっくるめてオペレーションと呼んでいます。イベントは、様々なイレギュラーも想定しながら時間どおりに進行する必要があります。そのためには、スタッフの人数や配置、各スタッフの役割や業務内容、設営・撤去も含めたタイムテーブルなどのオペレーションを入念に検討し、スタッフ全員がそれを認識していなければいけません。

オペレーションの意味・使い方【金融業界】

金融業界では、日本銀行の公開市場において「買いオペレーション」「売りオペレーション」という業界用語が用いられます。

・買いオペレーション(買いオペ)

買いオペレーションとは、日本銀行が金融市場でCP(コマーシャル・ペーパー)や手形、国債などを買うことにより、金融市場へ流れる資金を供給する金融政策のことです。主に、市場が資金不足(景気低迷時)のときに、資金供給量を増やすことで金利を下げる効果があります(金融緩和)。

※参考:買いオペレーション|金融/証券用語集|株のことならネット証券会社【auカブコム】

・売りオペレーション(売りオペ)

売りオペレーションとは、日本銀行が金融市場でCP(コマーシャル・ペーパー)や手形、国債などを売却することにより、金融市場から資金を吸い上げる金融政策のことです。主に、金融市場に供給されている資金量が多い(景気過熱時)ときに、資金量が減らすことにより金利を上げる効果があります(金融引締め)。

※参考:売りオペレーション|金融/証券用語集|株のことならネット証券会社【auカブコム】

オペレーションの意味・使い方【医療業界】

医療業界において、オペレーション(オペ)という言葉は「外科手術」という意味で使われます。

オペレーションの意味・使い方【建設業界】

建設現場では、クレーンなどの重機を使った作業がおこなわれますが、重機を操作することを「重機オペレーション」と言います。また、建築物などを設計する際にはCADが使用されますが、CADを使った作業は「CADオペレーション」と呼ばれます。それぞれ、「重機オペレーター」「CADオペレーター」というように職種名にもなっています。

オペレーションを改善する重要性

多くの企業がオペレーションに従って業務を進めていると思いますが、どんなオペレーションにも改善の余地はあるものです。これまで最適だと思って進行していた業務フローでも、オペレーションを見直すことで欠陥が見つかるケースは少なくありません。また、進化が著しいデジタルテクノロジーをオペレーションに取り入れることで、劇的な改善効果が得られることもあります。

オペレーションを見直して無駄な作業を省くことができれば生産性の向上につながりますし、コストの削減効果も見込めます。また、業務の手順・方法を最適化できれば、ミスの低減や業務品質の向上が見込め、結果として顧客満足度の向上や競争力向上にもつながります。

限られた経営資源(ヒト・モノ・カネ・情報)を活用して、より効率的に、よりクオリティの高い商品・サービスを生み出すことが求められる今、オペレーションの改善は必須の取り組みだと言えるでしょう。

オペレーションを改善する際、社内から反対意見が出るケースは多々あります。誰でも、慣れ親しんだやり方・フローを変更するのには抵抗があるものです。とはいえ、長期的な視点で企業の成長を考えたら避けては通れない取り組みなので、オペレーション改善の重要性を理解してもらったうえで、改善を進めるようにしてください。

オペレーションを改善する3つのポイント

「オペレーション・マネジメント」の視点を持つ

オペレーション・マネジメントとは、オペレーションを機能別、部門別で考えるのではなく、企業全体の視点で捉え、業務連鎖(機能や部門を超えた業務のつながりや連携・流れ)の観点で一気通貫のオペレーションを構築することを言います。

環境変化が激しく、顧客のニーズが多様化するなか、企業が競争力を発揮するためには、全社一丸となって市場の変化に対応し、顧客が求めるものをより安く、より早く、かつ適切なタイミングで開発・生産・供給できるオペレーションを構築することが重要です。

これまでのような機能別・部門別の個別最適なオペレーションでは、環境変化のスピードに対応することはできません。オペレーション・マネジメントの視点を持ち、一気通貫で淀みのないオペレーションを再構築していきましょう。

※参考:オペレーションズ・マネジメント | 一般社団法人中部産業連盟

デジタルテクノロジーを活用する

DX(デジタル・トランスフォーメーション)が推進される時代においては、デジタルテクノロジーを活用したオペレーションの再構築が求められます。オペレーションの見直しを図る際は、必ずデジタルテクノロジーの活用を検討しましょう。オペレーションのなかにデジタルテクノロジーをうまく組み込むことができれば、より高度なレベルで業務効率化や生産性向上を推進できます。

昨今はRPAなどのシステムを導入して、業務の自動化を図る企業も増えています。また、コロナ禍におけるリモートワークの要請から、紙やハンコを廃止してデジタルベースの業務フローを再構築する動きも盛んになっています。デジタルテクノロジーを採り入れて、従来のオペレーションを見直すには最適なタイミングだと言えるでしょう。

業務改善のフレームワークを活用する

業務改善を行う際には、やみくもに手を付けるのではなく、フレームワークに則った改善が必要になります。具体的には「ECRS(イクルス)」というフレームワークで改善点を洗い出す事が可能です。

E=Eliminate(除去する)「そもそも、無くせないか?」
C=Combine(まとめる)「一つにまとめられないか?」
R=Rearrange(整理する)「グループ分けできないか?」
S=Simplify(簡単にする)「自動化出来ないか?」

E → C → R → S の順で取り組むことが推奨されており
S < R < C < E という順で改善効果が増すとされています。

上記のようにフレームワークを用いることで、網羅的かつ効果的にオペレーション改善を進めることが出来るようになるでしょう。また、これらの観点を用いて従業員がオペレーション改善について考える機会を提供することで、生産性向上に向けての意識改革も実現することが出来ます。

オペレーションマネジメントの実施手順

既存のオペレーションを見直す際の基本的な流れについてご説明します。

STEP1:現状把握

まずは、自社のオペレーションについて現状把握をおこないます。その際は、オペレーションの手順を正しく把握するため、フローチャートに落とし込みます。フローチャートは様々な手法で作成されますが、国際標準になっているBPMN(ビジネス・プロセス・モデリング)表記法など、関係者全員が理解しやすい手法を採用するのが良いでしょう。

STEP2:問題点の抽出

フローチャートを用いた現状把握が終わったら、オペレーション上で障壁となっている問題点を洗い出します。このときは、ただ単に問題点をピックアップするだけでなく、「なぜその問題点が生じているのか?」という原因についても調査・考察するようにしてください。問題点とその原因を把握できていれば、STEP3において適切な改善策を講じることができます。

問題点を抽出する際、特にシステム面における問題点には注視する必要があります。「2025年の崖」で指摘されているとおり、日本企業は「レガシーシステム」と呼ばれる老朽化・ブラックボックス化したシステムを使い続けているケースが多々あります。

現在のオペレーションがレガシーシステムに依存している場合、そのままにしておくと大きな損失を被ることにもなりかねません。レガシーシステムからの脱却は、オペレーションを改善するうえでも重要なポイントになってきます。

STEP3:スケジュールの設定

問題点の抽出ができた後は、「スケジュールの設定」を行います。スケジュール設定には、生産、配送、メンテナンス、人員配置など、様々な業務の時間計画を立てることを含みます。

スケジュール設定の目的は、限られたリソースを最適に配分し、作業の流れをスムーズにすることにあります。これには、タスクの優先順位付け、期限の設定、リソースの割り当てが含まれ、効率的なスケジューリングにより、プロジェクトの遅延を防ぎ、コスト削減にも寄与します。

各オペレーションとの連携・データ共有

各オペレーション間の連携とデータ共有は、全体的な効率と生産性を高めるために不可欠です。生産、保全、品質、在庫の各部門は、リアルタイムデータを共有し、計画調整、問題解決、プロセス改善を行うことで、一貫性のあるオペレーションを実現し、最終的に顧客満足度を高めます。

生産オペレーション

生産オペレーションは、製造業における中心的な機能です。この部門は製品の生産計画、生産プロセスの管理、設備の最適化、労働力の配置などを担当します。効率的な生産スケジュールを立て、原材料から最終製品までの製造プロセスをスムーズに進めることが主な役割です。

また、保全オペレーションや品質オペレーションと密接に連携し、設備のメンテナンスや品質管理の基準を満たすことで、生産効率と製品品質を高めます。

保全オペレーション

保全オペレーションは、設備の保守・メンテナンスを中心に行います。この部門の主な役割は、機械や設備の稼働率を最大限に保ち、予防保全を通じて故障や停止時間を最小限に抑えることです。

保全オペレーションは、生産オペレーションと密接に連携し、生産ラインのスムーズな運用を支援します。また、品質オペレーションとも連携し、設備が品質基準を満たしているかを確認します。予測保全や定期的な点検を通じて、生産効率の低下や品質問題の発生を防ぐことが重要な任務です。

品質オペレーション

品質オペレーションは、製品の品質管理と保証を担当します。この部門は、生産される製品が企業の品質基準や市場の要求を満たしていることを確認する役割を持ちます。

具体的には、原材料の検査、製造プロセス中の品質チェック、最終製品の品質試験などを行います。生産オペレーションや保全オペレーションと緊密に連携し、品質問題の早期発見と対応、プロセスの改善を図ります。

品質オペレーションは、顧客満足度の向上とブランド信頼性の維持にも寄与します。

在庫オペレーション

在庫オペレーションは、原材料、中間製品、完成品の在庫管理を主に行います。この部門の目的は、過剰在庫や不足を防ぎ、生産と需要のバランスを最適化することです。在庫管理システムを用いて在庫レベルを監視し、生産計画や市場の需要に応じて調整します。

生産オペレーションと協力し、生産スケジュールと在庫レベルを連携させることが重要です。また、品質オペレーションとも連携し、在庫品の品質維持を図ります。効率的な在庫オペレーションは、コスト削減と顧客満足の向上に直接貢献します。

STEP4:改善案の作成

オペレーション上の問題点を洗い出したら、改善案を作成していきます。改善案を作成する際は、複数の評価ポイントを設けることが重要です。「効果」「費用」「期間」などのポイントを設け、最適な改善案を作成しましょう。

STEP5:改善案の実行・評価

改善案を作成したら、期限・スケジュールを明確にしたうえで実行していきます。オペレーションの改善後は、どのような効果が得られたかを適切にモニタリングしていくことも重要です。

オペレーションマネジメントの研修はストレッチクラウドへ

ここまでオペレーションの定義やオペレーション改善のポイント、手順について説明いたしました。

弊社のストレッチクラウドでは、オペレーションマネジメントを含んだマネジメント人材を育てるために、 まず、研修を通して事前に役割理解や役割遂行のための観点付与を行います。

その後、360度評価によって周囲からの期待と満足を可視化し、役割遂行に向けた自己課題は何か/課題を解決するためのアクションプランは何かを明らかにするというワークショップを継続的に実施します。 結果として、マネジメント人材になるための自立的な成長サイクルを実現しています。

ストレッチクラウドの詳細は、以下のサイト・記事で詳しく解説しています。

▼ ストレッチクラウドの詳細はこちら
​​​​​​​https://stretch-cloud.lmi.ne.jp/service

まとめ

オペレーションは、業務プロセスを効率化し、製品・サービスの品質を向上させるために欠かせない要素です。しっかりとしたオペレーション・マネジメントができている会社であれば、ソフト面の差別化や人材の育成など、より本質的な取り組みに投資をする余力も生まれてきます。差別化が難しい時代だからこそ、現状のオペレーションの見直しを図り、競争力を高めていきましょう。

オペレーションに関するよくある質問

オペレーション管理とは何ですか?

オペレーション管理は、企業が日々の業務を効率的かつ効果的に運営するためのプロセスや活動の管理です。これには、生産計画の立案、資源の割り当て、品質管理、在庫管理などが含まれます。目的は、コストを最小限に抑えつつ、製品やサービスの品質と顧客満足を最大化することです。

オペレーションの効率化を図る方法は何ですか?

オペレーションの効率化には、プロセスの自動化、廃棄物の削減、供給チェーンの最適化、データ分析に基づく意思決定の強化などがあります。また、従業員のトレーニングを強化し、継続的な改善文化を醸成することも重要です。

オペレーションマネジメントでのKPI(重要業績評価指標)の例を教えてください。

オペレーションマネジメントにおける一般的なKPIには、生産効率、在庫回転率、納期遵守率、品質不良率、顧客満足度などがあります。これらの指標は、オペレーションのパフォーマンスを測定し、改善のための洞察を提供します。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
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