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洞察力とは?意味や見抜ける人の特徴、高め方・鍛え方を解説

周囲で生じる様々な事象について深く思考を巡らせる「洞察力」は、ビジネスシーンにおいて重宝されるスキルの一つです。「仕事ができる人=洞察力が高い人」というのは、多くの場合で当てはまるのではないでしょうか。組織成立において、組織の「内外」「上下」「左右」のコミュニケーションの流れを途絶えさせない事が重要だといわれていますが、「洞察力が高い人」は周囲や相手の違和感など細かい点を察知して読み取る力があるため重宝されるのです。しかし、洞察力は自然と高まるスキルではありません。今回は、洞察力の高い人の特徴や高める方法などについて解説していきます。

目次[非表示]

  1. 1.「洞察力」の意味とは?
  2. 2.洞察力を高めるメリットは?ビジネスにどう役立つ?
  3. 3.洞察力がある人の4つの特徴
  4. 4.洞察力を高める・鍛える4つの方法
  5. 5.洞察力を鍛えるのにおすすめの本
  6. 6.洞察力を鍛えるのにおすすめの研修とは?
  7. 7.管理職研修・育成ならストレッチクラウド
  8. 8.まとめ
  9. 9.洞察力に関するよくある質問
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「洞察力」の意味とは?

洞察力とは、自分の周囲を注意深く観察して目に見えない裏側までも推察し、問題の本質を見抜く力のことです。分かりやすい例で言えば、たとえば普段は口数が多い同僚があまり口を開かないときに、「何か悩みを抱えているのではないか?」「この話題に関して不満を持っているのではないか?」などと考えを及ばせることができる人は、洞察力が高い人だと言えるでしょう。

洞察力のある人は正しい判断ができたり的確な対応ができたりするので、ビジネスにおいても重宝されます。たとえば何らかの問題が生じたとき、表面だけを捉えている人は、その場では解決できても後に同じ問題を招いてしまうことがあります。しかし、洞察力の高い人は「なぜこの問題が起きているのか?」ということを突き詰めて考え、本質を見極められるので、根本から問題を解決することができます。物事の背景に潜む本質的な課題や相手の本心を推察できる洞察力は、ビジネスの様々なシーンで役立つはずです。

洞察力と観察力の違い

洞察力と類似した言葉としてよく挙げられるのが「観察力」です。観察力とは、何らかの事象や人をしっかりと観察したうえで具体的な特徴や変化に気付く力のことを言います。たとえば、上司が普段とは違った色合いのネクタイをしていることに気付く力は観察力だと言えます。

これに対して、洞察力はさらにその奥底にある本質や意図を見抜く力です。同じ例で言うなら、「上司はなぜ今日、いつもと違う色合いのネクタイを選んだのだろうか?」ということまで考えを及ばせるのが洞察力です。その意味で、観察力より洞察力のほうが高度な能力・スキルだと言えるでしょう。

洞察力を高めるメリットは?ビジネスにどう役立つ?

従業員が洞察力を高めることでどのようなメリットがあるのかについてご説明します。

根本的な課題解決ができる

洞察力に欠けている人は、ビジネスで課題・トラブルに遭遇したときに、その場しのぎの対応に終止しがちです。しかし、洞察力の高い人は根本的な原因を突き止めたうえで適切な対策を講じることができます。洞察力が高まれば課題の本質を見抜くことができるようになるため、組織改善や業務改善においても力を発揮できるようになるでしょう。

コミュニケーションスキルも高まる

洞察力の高い人は、コミュニケーションにおいても相手の本心や意図を読み取ることに長けています。たとえば、相手が言葉足らずだったり、曖昧な返答をしたりしたときも、「こういうことを言いたいのだろう」という本心を的確に把握できます。そのため、営業職であれば商談をスムーズに進められますし、カスタマーサポート職であれば顧客の要望や不満に寄り添った対応ができるでしょう。

新しいアイデアを創出できる

洞察力を高めることで、新しいアイデアを創出する能力が向上します。洞察力がある人は、情報を深く理解し、それを新たな文脈で結びつけることができます。これにより、従来の枠組みや既存の思考パターンにとらわれず、革新的なアイデアやクリエイティブな解決策を生み出すことが可能になります。

また、多角的な視点から問題を考察できるため、独自性と実用性を兼ね備えたアイデアが生まれやすくなります。洞察力は、異なる分野や状況間の関連性を見出し、それを新しいアイデアに結び付ける際に不可欠です。

リスク回避能力が身に付く

洞察力を高めることは、リスク回避能力の向上にも直接的に寄与します。洞察力があると、情報の背後にあるパターンやトレンドを素早く識別し、それらが将来に与える影響を予測することができます。

これにより、潜在的なリスクを早期に発見し、それに対処するための戦略を立てることが可能になります。また、複雑な状況や不確実性が高い環境においても、情報を正確に解釈し、適切な判断を下す能力が強化されます。リスク回避能力は、特に経営判断や戦略立案において重要であり、リスクを管理し、損失を最小限に抑えるためには、高い洞察力が不可欠です。

洞察力がある人の4つの特徴

洞察力がある人に共通する主な特徴についてご説明します。

洞察力がある人はすぐに意図を理解できる

洞察力がある人は、たとえ情報が限られていても相手の意図を素早く読み取ることができます。相手と会話をしているときも、早い段階から相手の意図が分かるので、常に会話を先回りしてテンポ良くコミュニケーションを進めることができます。誰が相手でも、自分に求められていることや自分に期待されていることを汲み取れるので、最適な判断・行動に移すことができるのです。

洞察力がある人は先入観・固定観念にとらわれない

洞察力がある人の特徴として、先入観や固定観念にとらわれないという点が挙げられます。先入観や固定観念にとらわれていると、現状を把握するうえでノイズになり、正確な判断ができなくなってしまうことがあります。しかし、洞察力のある人は先入観や固定観念を取り払い、客観的に現状を判断できるので物事の本質にたどり着きやすく、的確な戦略や解決策を講じることができます。

洞察力がある人は多角的な視点から考察できる

洞察力がある人は、常に多角的な視点を持って物事を考えることができます。課題やトラブルを抱えて行き詰ったり、仕事がうまくいかなくて煮詰まったりしても、別の視点に切り替えることでその状況を打開することができます。また、多角的な視点から考察することで、これまでの常識では考えられなかったような新たな可能性を見いだせることもあるでしょう。

洞察力がある人は知識のインプット量が多い

洞察力に富んだ人は、知識のインプット量が多いという特徴があります。未知の問題に直面したときも、インプットされた知識・情報をつなぎ合わせて思考を巡らせることで、的確な解決策を導くことができます。別の言い方をすれば「引き出しが多い」ということで、引き出しが多い人は洞察力も高い傾向にあります。

洞察力を高める・鍛える4つの方法

洞察力を高めるのに効果的だとされている4つの方法をご説明します。

①あらゆることに興味を持ち、周囲をよく観察する

あらゆる物事に関心を抱かなければ、洞察力を高めることはできません。洞察力が高い人は、常に周囲にアンテナを張り巡らせているものです。「興味がないから」「仕事に関係のないことだから」というように扉を閉ざしてはいけません。

普段から周囲にアンテナを張り巡らし、人や出来事をつぶさに観察するようにしてみましょう。社内の人や組織内の出来事にとどまらず、ありとあらゆる分野・事象に対して関心を抱くことが大切です。

②インプット量を増やし、「なぜ?」を繰り返す

そのうえで、たとえば「あの人は、どうしてこのような行動をしているのか?」「なぜ、あの出来事は生じたのか?」というように「なぜ?」を繰り返すようにします。未知の分野でも、自分なりに「なぜだろう?」「どういう仕組みになっているんだろう?」というように思考を巡らせ、自分なりの解釈を加えることが大切です。思考を重ね、様々な仮説を立てていくことで、自然と人間や事象の裏側にまで考えが及ぶようになり、洞察力の向上につながっていきます。この際に、前提知識の量が多ければ多いほど仮説の精度が高まってくるのでぜひインプット量も増やしていただくことをおすすめします。

③ゼロベース思考を習得する

上記の「なぜ?」を繰り返す際に重要なのが、ゼロベース思考で考えることです。私たちは、今までの人生で習得した知識や経験をもとに、深く考えることなく物事を結論付けてしまうことが多々あります。この傾向は、年齢を重ねていくにつれて顕著になります。このような「思い込み」を全部捨て去り、ゼロの状態から思考を巡らせることで洞察力は高まります。

とはいえ、個人でゼロベース思考を習得するのは決して簡単ではありません。従業員の洞察力を高めたいのであれば、外部研修やワークショップを利用するのが近道になるでしょう。

④クリティカルシンキングを意識する

「ゼロベース思考」の他に、もう一つ意識しておきたいのが「クリティカルシンキング」です。クリティカルシンキングとは、物事を批判的に捉え、最適解を導く思考法です。普段、自分が無意識にとっている行動や考え方について、「なぜ自分はこのような考えに至ったのか?」「あの行動は的確だったか?」「もっと良い選択肢はなかったか?」というように批判的に捉えることで、自分の考えや行動を客観的に分析します。

クリティカルシンキングを意識することで、自身の思考や行動の「クセ」に気付くことができ、先入観にとらわれずに物事を見る力が養われていきます。その結果、洞察力も向上していくでしょう。

▼クリティカルシンキングに関する記事はこちら
​​​​​​​クリティカルシンキングとは?メリットや実践方法を解説

⑤多角的な視点で考える

洞察力を高めるためには、多角的な視点で物事を考える練習が重要です。これには、異なる分野や文化、専門知識に触れることが含まれます。例えば、異業種の書籍を読んだり、異文化の歴史や芸術について学んだりすることで、異なる視点や新たなアイデアに触れることができます。

また、議論やディスカッションに積極的に参加し、他者の意見を聞くことも重要です。他人の視点を理解し、自分の考えと照らし合わせることで、物事をより広い角度から見ることができるようになります。

⑥メンターとのトレーニングを行う

洞察力を鍛える有効な方法の一つは、経験豊富なメンターとのトレーニングを行うことです。メンターは、自分の経験や知識を共有することで、新たな視点を提供し、洞察力を深めるのに役立ちます。メンターと定期的に会うことで、自分の考えを深め、反省する機会を持つことができます。

また、メンターからのフィードバックは、自己認識を高め、思考の盲点を指摘してくれることが多いです。メンターとの対話を通じて、複雑な問題を解決するための新しいアプローチや、より効果的な意思決定方法を学ぶことができます。

▼メンターについて詳しくはこちら
メンターとは?メンターの意味や役割、制度のポイントを解説

洞察力を鍛えるのにおすすめの本

上記でご紹介した4つの方法を鍛える上でおすすめの本2冊をご紹介します。それぞれ概要を掲載しておりますので、活用してみてください。

大前研一 洞察力の原点

洞察力を鍛える上では、まず「洞察力を鍛えることの重要性を理解する事」が重要ですが、

そこでおすすめなのが大前研一著「洞察力の原点」です。

<概要>
決してあきらめず検証を続けることによって、自分なりの結論を出す。そして自分の立場で実行する方法を組み立て、執念深くやり遂げる。そうした一連の動作を絶え間なく続けることこそが「洞察力の原点」である。頭脳をフル回転させてロジカルに考え続けているときに、気づかなかった視点、見落としていた事実、不十分だった行動などを発見したときがチャンスなのである――。

※内容紹介「Amazon」より

著者:大前研一
発行:2011/2/24
出版社:日経BP

解像度を上げる――曖昧な思考を明晰にする「深さ・広さ・構造・時間」の4視点と行動法

洞察力を鍛える上で重要なスキルである「ゼロベース思考」と「クリティカルシンキング」を高める上でおすすめなのが馬田隆明著「解像度を上げる」です。

<概要>
「ふわっとしている」「既視感がある」「ピンとこない」。誰かにそう言われたら。言いたくなったら。解像度が高い人は、どう情報を集め、なにを思考し、いかに行動しているのか。スタートアップの現場発。2021年SpeakerDeckで最も見られたスライド、待望の書籍化!
※内容紹介「BOOK」データベースより

著者:馬田隆明
発行:2022/11/19
出版社:英治出版

洞察力を鍛えるのにおすすめの研修とは?

洞察力について説明してきましたが、リンクアンドモチベーションでは洞察力を鍛えるための研修も提供しています。当社では、洞察力を高める施策を遂行する上で大切なポイントは3つあると考えています。

  1. 世の中で起こっている事象や事実の裏には必ずその理由となるメッセージ(Why)が存在することを理解すること。
  2. メッセージ(Why)の精度を高めることで、その後のアクションの質も高まることを認識すること。
  3. 起きている事象・事実を「4W1H」の観点で分解し、さらに「起きていること(Is)・起きていないこと(Is not)」を用いて整理すること。

洞察力向上に向けた施策に取り組む際はぜひ上記の観点を意識してみてください。
また今回は触りのみのご紹介ですので、全容が気になる方はぜひ下記のリンクをご覧ください。

▼【洞察力】コミュニケーション能力開発研修に関する記事はこちらhttps://solution.lmi.ne.jp/hr_development/c/portableskill/einstein_insight

管理職研修・育成ならストレッチクラウド

洞察力は全ビジネスパーソンにとって必要なスキルですが、管理職になると「洞察力の幅を広げる必要」が出てくるためより高度な力が求められるようになります。冒頭で組織成立においては、組織の「内外(社内・社外)」「上下(上司・部下)」「左右(他部署)」のコミュニケーションの流れを途絶えさせない事が重要だとご紹介しましたが、その関係性を繋ぐ役割を担っているのが管理職なのです。

当社では管理職育成に関する施策も提供しておりますので、興味をお持ち頂ける方はぜひお問い合わせください。

まとめ

洞察力に優れた人は、常識や固定観念にとらわれず、多角的な視点から物事の本質を見抜くことができます。このような人材が増えれば、自然と組織力も向上していくはずです。洞察力を重要なスキルの一つとして位置付け、外部研修などを通して従業員の洞察力向上を図っていきましょう。

洞察力に関するよくある質問

Q:洞察力が高いことによるデメリットはある?

通常、洞察力が高い人は、コミュニケーションスキルが高く、判断や意思決定が的確で、問題解決力にも優れているため、ビジネスにおいては「できる人」だと評価されます。強いてデメリットを挙げるとすれば、物事を深く考えるあまり、行動が慎重になり過ぎる場合があることでしょう。また、洞察力が高いと、知りたくなかった相手の本心が読めてしまうこともあり、精神的に疲れてしまう人もいるようです。

Q:洞察力と分析力は何が違う?

分析力とは、物事を分解し、その物事を構成する要素や成分を明らかにする力のことです。これに対し、洞察力は物事の本質を見抜く力のことで、物事の裏側に隠れている情報にまで思考を及ばせて、その本質を見極めます。分析はあくまでも目の前にある物事を分解して、その要素や成り立ちを明らかにすることにとどまりますが、洞察は本質を見抜くことで学びを得たり、傾向を捉えたり、さらに新しいことに気付くことだと言えるでしょう。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立つ情報をお届けします。
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