catch-img

HRBP(HRビジネスパートナー)とは?役割や求められる能力、人事との違いを紹介

HRBP(HRビジネスパートナー)の導入は、企業において人事管理の新たな進化をもたらす重要なステップです。組織の成功に向けた人材戦略を策定し、ビジネスパートナーシップの強化を通じて競争力を高めるために、HRBPの役割は不可欠です。この記事では、HRBPの機能を効果的に導入するための方法とポイントを紹介します。

目次[非表示]

  1. 1.HRBP(HRビジネスパートナー)とは何か?
  2. 2.HRBPの需要が拡大している理由
  3. 3.HRBPと従来の人事の機能の違い
  4. 4.HRBPの機能を企業に導入する方法
  5. 5.承認欲求を活かしたマネジメント人材を育てるなら、リンクアンドモチベーション
  6. 6.まとめ

HRBP(HRビジネスパートナー)とは何か?

HRBP(HRビジネスパートナー)とは?役割や求められる能力、人事との違いを紹介

HRBP(HRビジネスパートナー)とは、企業内で人事部門が担う役割の一つです。HRBPは、従業員の採用、育成、配置、評価などの人事管理を通じて、企業の戦略や目標達成を支援します。具体的には、経営陣や部門リーダーと連携し、人材戦略を策定し実行することが求められます。

HRBPは組織の成長と効率化を促進し、変化するビジネス環境に対応するための人材開発や組織変革をサポートする重要な役割を担います。

HRBPの仕事内容とは

HRBP(HRビジネスパートナー)の仕事内容は多岐にわたり、企業の人事戦略を実行し、組織の成功に向けて戦略的な役割を果たします。

人材採用・育成:求める人材の採用と育成
人材配置:最適な人材の配置、チーム設計
役割設計:チームや個人の役割・責任範囲の設計
コミュニケーション設計:社内のコミュニケーションの流通設計
人事制度運用:業績向上・人材育成を実現する人事制度の設計・運用
管理制度運用:事業運営上必要な管理体制の充実・運用

HRBPの提唱者

HRBPの概念は、デイブ・ウルリッチによって1990年代に提唱されました。ウルリッチは、従来の人事部門の単なる管理的な役割から脱却し、より戦略的なパートナーとしてビジネスの成長と発展に積極的に貢献すべきだと主張しました。

これにより、HRBPは組織のビジョンや戦略を理解し、それに基づいて人材戦略を策定する役割を担います。また、ビジネスのニーズに合わせて人材の獲得や開発、評価を行い、組織のパフォーマンスを最大化するために戦略的な支援を提供します。

HRBPの定義

HRBPは、人事専門家がビジネスリーダーと協働し、組織の戦略的目標達成に向けた人的資源の管理と開発を行う役割です。この役割は、組織の戦略的ニーズを理解し、それに応じた人材戦略を策定し、実行することを目的とします。

さらに、HRBPは組織内の従業員の能力開発やトレーニングプログラムの設計・実施にも関与します。彼らは従業員のパフォーマンスを評価し、フィードバックを提供することで成長を促進します。また、チームビルディングやコミュニケーションの促進、労働法や規制の遵守など、人的資源管理のさまざまな側面にも関与します。

HRBPの需要が拡大している理由

HRBP(HRビジネスパートナー)の需要が拡大している理由は、社会環境・生活様式の変化と人材獲得競争の激化に起因しています。ここでは、それぞれの内容について簡単にご紹介します。

社会環境・生活様式が変化している

近年、社会環境と生活様式は急速に変化しています。テクノロジーの進化、リモートワークの普及、ダイバーシティとインクルージョンの重要性の高まりなどがこれに関連しています。組織は、この変化に迅速に適応し、柔軟性を持つ必要があります。HRBPは、組織内で変化を促進し、従業員のニーズと価値観に合わせた戦略を展開する役割を果たします。また、組織文化や働き方の改革を推進し、従業員の満足度とエンゲージメントを向上させるのに貢献します。

人材獲得競争の時代に突入している

現代は、優れた人材を獲得する競争が激化している時代です。組織が成長し競争力を維持するためには、優秀な人材を吸引し、育成することが不可欠です。HRBPは、戦略的な人材獲得計画を策定し、組織に必要なスキルと能力を備えた候補者を特定する役割を果たします。また、競争が激しい中で、従業員をリテンション(維持)するための戦略も展開し、優秀な人材を組織内に留める支援を行います。

HRBPと従来の人事の機能の違い

HRBP(HRビジネスパートナー)とは?役割や求められる能力、人事との違いを紹介

HRBP(HRビジネスパートナー)は、従来の人事機能と比較して、組織内での役割やアプローチにおいて重要な違いが存在します。以下では、HRBPと人事、部門人事、労務管理との主な違いについて説明します。

HRBPと人事は何が違う?

HRBPと従来の人事機能との違いは、主に戦略性、組織全体への貢献、およびビジネスパートナーシップの強調にあります。HRBPは従業員の人事ニーズを戦略的に捉え、組織のビジネス目標に合わせた人材開発の策定・実行に焦点を当てます。

一方、従来の人事は主に人事業務の遂行に従事し、組織戦略への直接的な関与は限られていました。しかし、時代の変化に伴い、従来の人事機能だけでは組織のニーズに対応しきれなくなってきました。そのため、HRBPの存在がますます重要となっています。HRBPは組織の成果を最大化するために、戦略的な人材管理とビジネスへの貢献を行います。

▼人材開発について詳しくはこちら
人材開発・人材育成とは?必要なスキルや効果的な手法を解説

HRBPと部門人事は何が違う?

HRBPは組織全体の視点を持ち、組織全体の人材戦略を展開します。それに対して、部門人事は特定の部門やセクションに焦点を当て、その部門の人事ニーズに対応します。HRBPは組織全体の調和と一貫性を促進し、各部門の活動を統括する役割を果たします。

また、HRBPは組織のビジョンとミッションを踏まえ、人材の採用、育成、評価、報酬などの戦略的な活動を実施します。さらに、HRBPは社内外のトレンドや法規制の変化を把握し、組織に適切な対応策を提案します。

HRBPと労務管理は何が違う?

HRBPは、組織の成長に貢献する戦略的パートナーとしての役割を果たし、組織の目標達成に向けて戦略的な人事施策を展開します。これには、従業員のスキルや能力の開発、パフォーマンス評価の実施、組織文化の醸成などが含まれます。

一方、労務管理は、法的なコンプライアンスの確保や従業員の労働条件の適正な管理を担当します。労働法規や規制の変更に対応し、労働関係の円滑化や紛争処理の円滑化を図ります。また、賃金計算や労働条件の見直し、労働環境の改善なども重要な業務です。

HRBPの機能を企業に導入する方法

HRBP(HRビジネスパートナー)の機能を企業に導入することは、人事戦略の改善と組織の成功に向けた重要な一歩です。以下は、HRBPを効果的に導入する方法とポイントです。

導入の目的を明確にする

HRBPの導入を検討する前に、企業の現状と課題を把握して、導入の目的を明確にすることが重要です。具体的には、組織のビジョンや戦略、人材のニーズを詳しく調査し、現状を正確に把握します。

例えば、組織のビジョンに基づいて、HRBPが人材戦略を策定し、人材の採用や育成において組織のニーズに応えることができるでしょう。さらに、組織の戦略に合わせてHRBPが人事制度や報酬制度の改善を提案し、組織の成果を最大化する役割を果たすことも可能です。

組織の文化との整合性を確保する

HRBPの機能を導入する際には、組織の文化との整合性を確保することが重要です。HRBPは戦略的なパートナーとしての役割を果たすため、組織の価値観や信念と一致し、組織全体のパフォーマンス向上に寄与することが求められます。

さらに、HRBPは組織の効果的な人材戦略の策定と実施にも関与します。組織のニーズを理解し、適切な人材を確保するための戦略を立案し、採用や配置のプロセスにおいても指導的な役割を果たします。また、従業員の能力開発やパフォーマンス評価においても支援を提供し、組織の人材の成長と定着に貢献します。

適切な人材を配置する

HRBPの導入には、適切な人材を配置することが非常に重要です。HRBPは戦略的な人事管理やビジネスへの貢献を行う役割を果たしますので、経験豊富で専門知識を持った人材を採用・配置することが必要不可欠です。

さらに、既存の人事チームとの連携やコミュニケーションを密にすることも非常に重要です。これにより、組織全体の戦略的な人事管理を円滑に進めることができ、ビジネスの成果に直結することが期待されます。

継続的な評価と改善

HRBPの機能を導入した後も、継続的な評価と改善を行うことが重要です。導入後の効果のモニタリングやフィードバックの収集を行い、必要に応じてプロセスや活動の改善を行います。さらに、組織の変化や新たな課題に対応するため、HRBPの役割や業務範囲を柔軟に見直すことも重要です。

1つの方法は、改善のための定期的な会議やワークショップを開催することです。また、フィードバックを収集するために、従業員アンケートやワンオンワンの面談を実施することも有効です。

承認欲求を活かしたマネジメント人材を育てるなら、リンクアンドモチベーション

ここまで承認欲求の定義や承認欲求が強い人の特徴、満たすために必要なこと等について説明いたしました。
弊社のストレッチクラウドでは、承認欲求をうまく活かしたマネジメント等、有用なマネジメントができる人材を育てるために、
まず、研修を通して事前に役割理解や役割遂行のための観点付与を行います。
その後、360度評価によって周囲からの期待と満足を可視化し、役割遂行に向けた自己課題は何か/課題を解決するためのアクションプランは何かを明らかにするというワークショップを継続的に実施します。 結果として、マネジメント人材になるための自立的な成長サイクルを実現しています。

ストレッチクラウドの詳細は、以下のサイト・記事で詳しく解説しています。また、承認欲求に関連するリフレクション研修も下記にてご紹介しますので、ご興味あればぜひご確認ください。

▼参考: ストレッチクラウドの詳細はこちら

▼参考:リフレクション(内省支援)研修の詳細はこちら

まとめ

HRBPの導入は組織の戦略的な成功に向けた鍵となります。組織の特性に合わせてカスタマイズし、経営陣との協力を得ながら、適切なスキルとトレーニングを提供しましょう。そして、継続的な評価と改善を通じてHRBPの役割を最適化し、組織の持続的な成長を支えましょう。HRBPは単なる人事機能ではなく、ビジネスの成果に対する戦略的な貢献を担う存在として、組織の未来を形づくります。

執筆者:LM編集部
執筆者:LM編集部
理念・採用・風土・制度など組織人事のトレンドを発信しています。 基本的な用語解説から、多くの企業で陥っている実態、 弊社が培ってきた組織変革技術の知見を踏まえたポイント解説まで 皆様のお役に立ち情報をお届けします。
お役立ち資料一覧

新着記事

あなたの組織にも、課題はありませんか?

おすすめ記事

人気コラム

開催中セミナー

お役立ち資料

ページトップへ戻る